概要
「これはわたしの首じゃない、わたしの首じゃないの」
首の話。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!首はいつすげ変わったのだろう。偽物の首はどこから来たのだろう
講談のような語り口で綴れる奇譚です。
江戸の大店のお嬢さんが〝自分の首は本物ではない〟と切り落とそうすることから始まる物語です。
本作を読むものは、現実味がなく煙のように実相が揺らぐ物語を追うと、なにがほんとうかわからなくなります。
それで、当然なのです。
本来〝語り〟とは〝騙り〟に通じます。
ほんとうが嘘かもわからない。問うものでもない。
ただその場では楽しめればいい。楽しませることが目的のモノだからです。
この物語も大変に面白い。
そして、どうしてそうなったのか。
なぜ、そうなっていられたのか。
おおよそ、わからない。
だけど、それもまた楽しいと思える。
この胡乱で恐ろしくも…続きを読む