概要
そんな中、とあるデスゲーム映画を見ていた彼のもとに、一本のダイレクトメールが届く。
それはテレビ業界大手の大和放送会社から『エンゼルプレゼンテーション』という新番組に参加しないかという内容だった。
『エンゼルプレゼンテーション』
「貴方の死の値段を問われ続ける」
救いある死のエンターテイメント。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!キミの死にはいくらの価値があるんだい?
命を賭するデスゲーム。その中でも本作は、死にたいと願う人間が集まり、自分の死の値段の多寡をプレゼンテーションをするという内容です。
ジャッジによって、自らの死に1万、10万、100万、1000万、1億と値段が付く。他のデスゲームと違う所は、死ぬことは確定しているところです。死ぬのはま違いない。だけどそこにいくらお金がもらえるのか。
作中のキャラクターたちはみな死にたがっている。本来ならば何も得られないはずの死。だけれど、そこに大金が支払われるというシチュエーションによって、「いびつな欲」と「生命の価値を問う」ことが、浮かび上がってきました。
またホラー作品らしく、恐ろしくもあり絶望も感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「国は安楽死を認めてください」
SNSで昨今「国は安楽死を認めてください」というハッシュタグを用いた、言葉によるデモが行われている。
本来の安楽死というのは、不治の病かつ痛みが伴うといった苦しみを断つためのものだと思うが、そのデモには多くの自殺願望を持った若者が、今作の主人公の如く
「はよしにたひ」
的なノリで参加している。
今作を読んだ時、その「国は安楽死を認めてください」デモのグロテスクさを思い出した。
現代において、生きる意味を見失うことは簡単だ。
だからといって何も遺さないことは、死ぬことよりもさらにつらいことなのだと思う。
「エンゼルプレゼンテーション」に参加した面々も、金銭のみならず、生きた証を爪痕として遺した…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ありがとう。あなたがいてくれることで、わたしは
本作の作者は、わたしが最も推している作家の一人です。
今作も最終回を迎えるまで、ためにため、読むのを我慢していた物語でした。
裏切られる事はありません。
保証いたします。
そもそも、デスゲームとは、なんなのでしょうか。
生死をかけて求めるものとは、しかも他人と争う中にある頂点とはなんなのでしょうか。
それがもつ役割とはいったいなんなのでしょうか。
わたしはこれを、「生と死が常に隣接する事実」に直面するための、とてもやさしいシミューレーターと見ています。
生と死は不可分です。その境界に立ち、今辛うじて生者であるわたしたちは、こちらから彼岸を見つめています。
きっと、此岸に片足を突…続きを読む - ★★★ Excellent!!!個性豊かな登場人物たちが送るデスゲーム
デスゲーム、というと『死』を連想し、それに纏わる『登場人物』の姿を思い浮かべませんか?
この作品の凄いところは、まずそれをエンターテインメントとして表現しているところ。
『死』をテーマにしているのに、ドロドロしていないところ。
そして、ゲームに参加している登場人物が個性豊かであるところです。
何故、『エンゼルプレゼンテーション』という番組に参加したのか。
主人公の理由は誰もが抱く感情。
故に共感し、彼の視点だけで物語が進んでいくのにも関わらず、登場人物それぞれの背景、心情が伝わり、さらにその裏側までもが読者に響かせる。
あえて、彼らの視点を必要としない。
それだけでも十分だと思わせてく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!続きが気になって気になって気になって、しょうがないんだ。
序盤から追いかけて読んでいるデスゲーム。
毎話毎話、どうなるの?どうなるの?と思いながら読んでいますが、今日が一番「どうなるの!!!!」と思っています。
設定の素晴らしさもさることながら、もっとも評価したいのは作者の文章力。
ゾクゾク感、先行き不明感、謎に謎が重なってゆくミステリアスさ。しかしライトに読み進められるのは、作者の文章力があってこそ。
キャラクターも皆、際立っている。キャラクターの生き様そのものにテーマを置いていることもあり、登場人物の多さがまったく気にならない。それぞれの抱える背景がありありと描かれることで容易に感情移入でき、読者はメインキャラクター全員の人生を背負いながら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!息が苦しくなるようなデスゲーム。書籍化、お願いします!!
デスゲーム。それは殺し合い。けれど、このデスゲームはひと味違う。自分達で殺し合うのではないのだ。
これは、様々な理由で死を選んだ人たち『死の値段を問われる』物語なのである。
特筆すべきは、それぞれに死への理由がきちんとあり、それをエンターテイメントにされるところ。今起きている社会的な問題や世の中の風潮など様々な要素が取り入れられている。
正直に言おう。読むとズシッと来る。かなりくる。死にたいと思う理由がそれぞれにリアルなのだ。あぁ、きっとこういう人もいるだろうな。そう思える。
そして一番ずしっと来たのは、人間の仄暗さ。特にスタッフの人は恐ろしい。けれど、人間ってそういうところあるよね、と…続きを読む