命のお値段はおいくらですかーー?
- ★★★ Excellent!!!
冒頭は、昔懐かしいデスゲームの映画から始まる。
そこには当たり前に死が表現され、主人公である持田は羨望の眼差しでそれを眺める。
何故、自分はその世界にいないのか、と。
家族もなく、仕事も失い、人生のどん底で持田は死を追い求める。
が、彼が選んだのは一通のメールだった。
このデスゲームの特徴は、命の奪い合いでは無い。
そして、死を求めるが、同時にその最後の瞬間に己に価値を求めるものである。
それがエンタメとして世に放送されるという、倫理観がぶっ飛んだ(褒め言葉)世界観である。
死の手段はシンプルで安楽死。
それが合法となったからこそ、エンタメが成り立つのだ。
持田はその手段を手に入れるが為、デスゲームに参加するが、TV局側と持田と同じ死を求めにやってきた者達の思惑が、持田を巻き込んで渦巻いていく!!
ただ、死にたい。
持田の鬱々とした感情が、物語の絶妙なアクセントになっている。
死に向かう恐怖よりも、堪能できるストーリーがある。
お勧めです。