デスゲームを侮るなかれ

デスゲーム小説応募作品です。16話読了時点でのレビューになります。

『デスゲーム』そう問われた時に、誰もが想像するのは策略や騙し合いの中で行われる命のやりとり。

しかし、この小説に登場する人物に、それだけの生存本能を持つ者は誰一人としていません。

皆、自分が人生というゲームから脱落してしまった事を、自覚しているのです。

持田という冴えない男を主人公として物語は進んでいきます。
その冴えないっぷりがハンパじゃない。
ひとつもキラキラしてない。
むしろ「持田、お前……」がキャッチフレーズですらあります。

ゆっくりと進行する物語の中で「おや? 思ってたデスゲームと違うな」が判明して行きます。

テレビ番組という体を取りつつ、私はガチモンのリアリティーショーを見ている感覚に陥りました。この作品は、マスコミへの強烈な皮肉も込められています。

ここに来て、まさかの持田にヒーローを感じるとは思いませんでした。
そう、彼は正しく主人公なのです。

この言葉の意味は、是非、作品の中で確かめていただきたいと思います。

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