第18話 刀鬼③
「君は改造人間として生まれ変わった。私の作った最高傑作。人類救済の
言われるがまま身体を起こすと博士は悪そうな笑みを浮かべていて、その奥から
「いつも思うんだけどそれいる?なんか子供っぽくてすごく恥ずかしいんだけど」
まだ幼さの残る声と共に暗闇から歩み出た
「……何を言っているんだ
「あー、そう。手のひらからレーザーが出るようにしようとしてたのもその
「
そんな新装備が追加されたのかと、何もない場所に向けて手を
「何してるの兄さん。
それを知ってちょっとがっかりする。
「そもそも重量が増加してそれを
「それこそがロマンだ」
理解できない事が理解できないといった顔をした博士を見て
「一般には無駄というものだと思うんだけど?」
「そんな事はあるまい。
「それ本気で言ってるんだとしたら笑える」
「おお、この
「違う、
二人のやりとりを見て思わず笑ってしまった。
「何笑ってるの兄さん」
そう聞かれて答えようとしたら、
窓から差し込む西日の
「お
連れ出そうと伸ばした手がその腕に触れる前に、
「他に肉親もいなかったからそのまま一緒に暮らす事になって、でもすぐに打ち解けたりはできなかったな……。
お
話してくれるのは研究の事ばっかり。でも興味を
だから止めていた手を伸ばして、隣にいる
「これからは、俺が守るから」
「私がいなかったら満足に身体も動かせなくなるのに?」
その目には涙が
◆◆◆
警報音に目を覚まし、再生されていた記憶を振り払うように回線を開く。このところ人形の起動が急増している。身を起こした俺に
「いくの?」
「ああ」
答えながら戦闘靴を
それを受け取りながら残った片手を伸ばして
「どうかした?」
「……なんとなく」
「このところの連戦で休息が足りていない」
「分かってる。でも俺は大丈夫だ。
それを聞いた目が一瞬
出口を抜け待っていた車に乗り込むと運転手がアクセルを踏んだ。強い人形反応が
『‐周囲の
『‐人形反応、
『‐
『‐確認しました。内部に
『‐了解‐』
「‐やっとお出ましか英雄気取り‐」
作戦区域に近づいた事で行き
「‐状況は悪くないようだな‐」
「‐場所がよかった。周囲はほぼ無人。
「‐人形反応の消失が気になる、か‐」
「‐ああ、それで司令部も
当初の報告で
『‐俺が先行する‐』
通常通信で
「‐待て、じきに有人の偵察機が……‐」
『‐許可します。攻撃班は後に続いてください‐』
制止する
現れた金属の
だが
設置された照明の届かない場所。倒れている
それが何か確かめようと目を
「a……a……a?」
照らし出された視界の中、それはゆっくりと身を起こし、偵察機の方に顔を向けてから此方を見た。
引き千切ったらしい
「ka……hi……ii……hi、sA、シ、イですね。この国の人間よ」
人形の発していた音が
「人にとっては長く、私達にとっては短い時間が経過しましたが、人は何も変わっていないと判断するに
異様な
「何故人はいつも、そのように
人形が言い終わる前に
最悪だ。
引き抜かれた
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