第16話 刀鬼①
「じゃあ、先に行ってるね」
しびれを切らしたのだろう声に
二人が
「……また生殖器官が上手く発達しないという症例の増加も確認されています。このように人類に広がりつつある不妊症ですが、その原因は未だ分からないということですか?」
不意に聞こえた言葉に意識が引き寄せられる。その声は部屋の隅に吊り下げられたテレビから
「そうです。有害物質説、感染症説等がありますが特定はできていません」
「不妊治療自体がこのような事態を
「そう言った主張も有りますが、それでは不妊治療先進国以外にも同様の
「
名前を呼ばれて視線を向ければ、
「なにもたもたしてるの、もうすぐ見えるから急いで、
足早に進む
集まっている人の切れ
圧倒される
「
「
感動したように
「クスィには分からないかな。此処は世界の夜景百選にも選ばれてるんだけど、この街は許可なく入れないから、この街に住んでいる人だけが実際に見られる特別な景色なんだ」
「
「うん」
「そうですか、では、これは
光の当たり方の所為だろうか、頷いて見せた僕を見てそう答えたクスィの顔が、ほんの
「クスィ、今笑った?」
「そう見えましたか?」
「見えた」
「では、学習は順調に進んでいます」
僕の答えを聞いたクスィの顔に
「が、学習?」
「そうです。記録が完全であればそこに含まれていた筈ですが、感情表現や
僕の
「ああ、そ、うなんだ。でも随分時間がかかるんだね。今の状況は端末ですぐに理解したのに」
そう続けるとクスィは落ち込んだように目を
「いや、違う。がっかりしたとかそう言う事じゃなくて」
「分かっています」
そう言ったクスィの顔が再び
ただそんな事よりも重要なのは
「
「ああ、いや、ちょっとビックリして」
そう言って
「クスィを助けられたら、その時はまた三人で来て今度は
不意に思いついたそれはとてもいい考えのような気がした。今日まで見た事も無かったけれど、世界でも
「いい、かもね」
「
二人の賛同と向けられた笑顔に気持ちが
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