第17話 刀鬼②
乗り込んだのは
「いこうか」
しばらく歩くと
その
クスィが監視カメラを
苦戦している間にクスィも
しんがりを
正規の入り口を使えれば内部を歩き回る必要もない。クスィと出会った時の
六角柱が完全に停止してから近付き、手袋を外した左手で
ひやりとした感触の先、この中にもクスィと同じ予備の管理人形が眠っているらしいけど、危険性を考えて目覚めさせるのは止めていた。指環から光が消えるのを見て手を放す。
「後は帰るだけだね」
六角柱が下がっていく中、手袋をはめていた僕に
「地震だ」
さらに大きくなる事に備えて重心を低くしたが
「早く出た方がいい」
そう考えながら通路を通り抜け外に出た時。先頭を走っていた
「なに、あれ……」
その上部が
「戦闘用人形。何故……」
クスィの言葉に教科書で見た復元予想図が浮かぶ。地面に転がった人形達がゆっくりと起き上がろうとしているのが分かる。
「嘘、
「敵対反応を感知。危険です。急いで避難を」
クスィの言葉にいち早く
混乱したまま駆け出すと、
「クスィ、あの人形に銃は効く?」
「有効です。ですが人形の総数は三十二。
僕の手を離した
そうしている内に
「良し!
「やった」
声を上げた瞬間に、
「先に行って!僕の銃を渡すから」
その場にとどまろうとしている千歳に叫ぶ。
意図を理解した
何とか乗り越えて着地した僕のすぐ横にクスィが続き、それを確認した
追いついた人形がぶつかったのだろう、
たぶん
「とにかくここを離れよう」
千歳が差し出した銃を受け取った
金属の足が踏み出され、人形が破壊した
「
それは異様なほどゆっくりと見えて、死ぬという確信が
地面に打ち付けられた痛み。それに耐えて目を開けると、身体の上に
目線を上げると人形が立っていて、その前にクスィがいた。クスィの右腕はあらぬ方向へ曲がり、左手が人形の首を
思わず身を
「
「
クスィの言葉を聞いて慌てて
月明りに照らされた
「
僕を
「
「ああ、うん。そうだ。そうだけど」
クスィの返答に頷きながら思考が
「クスィの言う通り」
視線を向けると
「私は大丈夫だから、肩だけ貸してよ」
ふらつくように立ち上がった
「背負ってください。私が
肩だけでいいと言う千歳を強引に背負った。自分にそれができるか不安だったが、クスィが手伝ってくれているからか想像していたより重くなかった。
背後からは人形同士が戦っているのだろう音が響き続けていて、恐怖で
「
返事をする
「そうだ救急車を、救急車を呼ばなきゃ」
「大丈夫です。全て手配しています。聞こえませんか?」
そう言われて耳を
「佳都は
泣きそうになる自分を
どうか……
どうか……
どうか……
近づいてくるサイレンだけが希望だった。
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