第14話 管理人形④
仕事に出かけて行く
けれどそんな事はありえない。人は人を殺せる。ただそれを大半の人間は実行に移さないだけだ。
できるけれどやらない。
テレビを消して
夢の中で僕は包丁を手にしていて、それを母さんの背に突き立てる。
母さんを助けられなかった時、広がった血だまりの中に落ちていた包丁の光景が焼き付いてしまった
ましてこの身体にはあいつの血が流れているのだ。
岬さんや千歳がいてくれるからそうならずに
やっぱり学校に行くのはやめよう。とてもそんな気持ちにはなれない。用意していて全てを
「クストス」
部屋の中に姿が無かったから呼びかけると、クローゼットの扉が少しだけ開き、クストスが顔を
「はい、なんでしょう?」
「ちょっと」
「今から、コードを集めに行こう」
差し出した僕の手を見てクストスは首を
「学校はどうなりました?」
「……休みになったんだ」
そう言うとクストスは黙ったままじっとこちらを見つめた。
「
そうだ、実は初めから休みだったと言うのはどうだろうか、いや、休みになったと言ってしまった以上、クストスはたぶん納得せずそこを追求して……。
「
名前を呼ばれた事で思考が停止した。深く
「あなたは嘘をついているのではありませんか?」
その言葉に、一気に血の気が引いた。とても静かで
「ごめん、なさい……」
反射的に謝罪を口にして、僕は
「……でも、クストスを早く直したいんだ」
口を
「私は生活を無視してまで行動するのなら協力できないと言い。それを
少女の
「……絶対に?」
「絶対にです」
◆◆◆
結局、説得出来なくて
クストスが大丈夫だと言った事もあるし、なによりクストスの望みを強引に
ともすれば、
仕方がないから、足を進めながら
「おはよう、
「おはよう、はい、これ」
目の前まで来た
「あー、やっぱり、その……怒ってる?」
千歳もそんな顔をするんだと
「別に、そんな事ないよ」
「だって昨日送ってきた文面素っ気なかったし、今もなんかそんな感じだし、私もちょっとやりすぎちゃったかなって……その、ごめん」
「ああ、あれは、そう言うんじゃなくて別に考え事があって、
「考え事?」
自分が原因じゃないと分かり不安の色が消えた
「えっと、その、……そう、そろそろ勉強しないといけないと思って……ほら、テスト近いし」
「
「そろそろ本格的にやばいと思うんだよ」
「ああ、まぁ、前回の酷かったもんね。……うん、そういう事なら私が教えてあげる。学校が終わったら
成績の悪さが
「いや、でもそれは
「何言ってるの?できてないからその成績なんでしょ?」
「あー、でも千歳には部活が……」
「大丈夫。うちゆるいから」
悪意のない笑顔が
「いや、でも、えっと、家はちょっと、その、やっぱりまだちょっと気まずいというか……」
できるだけ
「ああ、そうか、そうだよね。そこまで考えなかった」
「ごめん」
「気にしないで、……じゃあ図書館にしよう」
僕を
「学校が終わって一度帰ったら、必要な物を持って図書館に集合って事で」
「分かった」
そう言って
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます