第30話 英雄⑥
「……博士」
よれた白衣のポケットに両手を突っ込んだ博士はその顔に懐かしい笑みを浮かべた。
「やぁ、久しいかな?」
ならば此処はあの世か、そんなものが本当にあったのか……手を伸ばそうとして、自分の身体が無い事に気付いた。視線も動かせない。
「それともまだそれ
何かを問おうとする前に、
「さて、君がこれを見ているという事は、仕込んでおいた切り札を使用する為の条件が満たされている事になる。君はまだ戦っていて、しかも
それはまったくその通りで返す言葉が無い。それを解っているかのように博士は
「いつかレーザー兵器を搭載しようとした事を覚えているかな?
特に放出してしまうレーザーはエネルギーのロスが多く確かに実用的ではない。肉体に詰め込める技術には限りがあり、いかに人形技術が優れているといっても内部で生成できるエネルギーにも限界がある。
だが、もしも
そしてこれは仮説だがクチナワの内部に流れている
無意味と知りながらも
「もし
だからそんなものが現れてしまった時の為にそれに
その言葉を最後に映像は消えた。再び失われる視界。けれど右手には
まだ生きている。このまま
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俺の意思を受けた
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