第45話 とことわのくに
階段を降りていくとそこはプラットホームになっていて、この街に来る時に乗ったのと同じ列車が停まっていた。
クスィは僕に視線を送ってからそれに乗り込んでいき、ホームは僕と
「
一度口を止めて考えなければ、きっといつもの言葉を口にしていただろう。
「……ありがとう。
「さようなら
僕もそれに
ホームが完全に見えなくなってしまってから奥に進むとそこでクスィが待っていた。乗客は他には誰もいないようで、彼女に
列車はじきに地上へと抜けた。
「いつかこのまま人間がいなくなってしまったら、クスィたちはどうするの?」
全てを知ってから気になっていた事を僕は口にした。
「その時が来たら私達は、この惑星自体を
「どうしてそこまで……」
「人が望んでいるのが、誰かに必要とされ受け入れられる事と、自らの命が有限であるとしても、
クスィの答えを、
「私の正式名称は、コエメトリウム・クストス」
聞きなれない異国語の意味がさっぱり分からなかった僕を見てクスィは
「そう名付けた彼の思いをこの国の言葉に
「
「ええ、私は、あなたの
優しく
「冷えてしまいますよ」
「いいんだ。それに、こうしていると、クスィの手も
「それは
「いいんだ。それでも」
そう言いながら指を
視線を移せば
その一つ一つの下にはたぶん僕が知る事もない
いつか現れる人類最後の一人さえ、クスィ達に
それはきっとこの惑星に生まれて消えていったどんな生き物にも与えられる事の無かった
それを
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