22-5 ナギサイド

 猫カボチャの爆発を利用して、魔物達に打撃を与えたが、状況は良くはなかった。


 見えていないだけで、砦内には、魔物がまだいるだろう。


「キリが無い。このままでは、体力が消耗してしまう」

「そーね〜〜〜……」


 カチュアは、遠くの背景を見ながら、考えている見たいだけど、一見、何も考えていなくって、ぼーとしているように見えてしまう


 だけど、魔物がこちらの、都合の良い動きはしてくれるはずもなく、攻撃を仕掛けてくる。


 当然だけど、カチュアはその攻撃を躱していく。


 攻撃を躱していく中、カチュアは魔物の一体を思い切り蹴り飛ばして、他の魔物を巻き込んだ。


「も〜〜、人が一生懸命打開策を考えていたのに〜」

「大人しく待ってもらう、人や魔物の方が珍しいよ」

「それは、それとして〜〜。……あそこまで、たどり着きましょう」


 カチュアが示した場所は、砦ではなく、何もないところだった。


「ん? 何で? 砦から離れていない?」

「砦の入口にも、魔物がいるわ〜。今は、魔物同士争って外には出れていない見たいだわ〜」

「つまり、どの道、入れないのか?」

「だから、とにかく、そこへ向かいましょう〜」


 カチュアは、目的地を砦ではなく、砦から離れた何もないところに指定したが、何が目的なんだ?


 でも、普通に砦に侵入することは、不可能だ。ここは、カチュアの言われた通りのことをするしかない。


 早速進行したが、やはり、魔物達が、私達に向かってきた。


「カチュア! 来たよ!」

「任せて〜〜」


 カチュアは鎖を取り出して、それを飛ばした。すると、鎖は、立派な長い角を生やした猪の体を巻き付けた。


 さらに、カチュアが引っ張ると、角を生やした猪が浮きながら、飛んでいった。


「そ〜〜れ〜〜」


 カチュアは、鎖で巻き付けた、角を生やした猪を、投げ飛ばした。角を生やした猪は、魔物の大群へ飛んでいった。


 グッサ!! グッサ!! グッサ!!


 猪の角が、魔物の体を次々と貫いていった。あの上級魔物のミノタロスの体でさえ、貫いてしまった。恐ろしい貫通力だ。


 カチュアは蒼い炎を頼らずに、魔物の特徴を利用して、魔物を倒すなんて、カチュアは、あの猪の角に、貫通力の高さを知っていたのか?


「あら? よくわからないけど、何体かは、倒せたみたいだわ」


 知らなかったのかよ! 分かっていたけど!

偶然、大量に倒したわけかよ!


「その手があったか」


 今度は、レオが、闘技で、角を生やした猪を吹き飛ばして、その吹き飛んだ猪は、飛ばされた勢いで、次々と、襲ってくる魔物の体を、立派の角によって貫いていった。


 その後も、マリンも真似して、大鎌を振って、角を生やした猪を飛ばした。そして、飛ばされた猪の角で、魔物の体を貫いていった。


 ああ、魔物の体を貫ける程の、貫通力を誇っているために、魔物を倒す道具化される、角を生やした猪。


 ところで、魔物の体を貫くことができるから、あの角を生やした猪は魔物だよね? 名前なんて言うのか?


 


 そして、何とか、目的地の何も無い場所へ辿り着いた。


 しかし、魔物を倒しては、いるけど、砦から、どんどん、魔物が出てきている。その魔物の大群は、しつこく、私達を追ってきている。


「で! どうするんだ、カチュア!」

「わたしから離れないで~」


 ドーーーーーン!!!


 カチュアはいきなり、地面を殴りつけた。


 あ! 何となく、カチュアがやりたいことを、察しました。


 そうなると、この後の展開は……。


 ピキ、ピキ、ピキ、ピキ!


 カチュアが殴ったところから、ヒビが生えてきた。


 そして。


 ボーーーーーン!!!


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 大きな穴が空き、私達は、その穴から落ちていった。その真下へあるものは、何となく、想像ができる。


 て! 前にも、この展開を見たことあるよ! これしか、侵入方法を思い浮かばないのかよ!

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