後日談 ナギサイド

 これは、アウルとかいう、街まで行く途中の話。


 カチュアとエドナは、泊る所はなく、野宿で一夜を過ごした、翌朝。


「ふわ~、おはようございます~」


 エドナは大きな、欠伸をしながら歩き、先に起きていたカチュアに近づいた。


「カチュアさん、これは? 狼型の危険種ですか?」


 カチュアの周りには、恐らくは狼だろう。その野獣の死骸が何匹かいた。


「あっ! エドナちゃん、おはよ~。そーよ~。お腹がすいたから、狩ったのよ~」

「これ、全部カチュアさんが? すごーいんだよ!」

「えへへ、ありがと~」

「しばらくは、食材には困らないんだよ。早速、このお肉使って、朝ごはん作らないと」

「わ~、エドナちゃんの作る料理は、美味しいから、楽しみ~」

「任せてよ!」


 まったく、この能天気コンビは……。


 正直、夜中は危なかったんだから。夜中にどちらかが、起きて、見張りをしないと、いけないのに、二人とも寝ていたんだよ。


 狼は、その間に、襲い掛かろうと、するたびに、カチュアが、すぐに目を覚まして、殴り飛ばしたんだよ。で、その繰り返しで、今に至るわけ……。


 カチュアって、もしかして人類最強かも? 熟睡していても危険を察知して目が覚めるんだから。


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