後日談 ナギサイド

 よく食べるな。


 寝たきりのカチュアを連れて、アヴァルの街の宿屋に戻った、エドナたち。


 カチュアは三日間寝たきりになっていた。


 起きて早々、とにかく、食べる。主に肉中心の食事を。


 カチュアは食べるペースはゆっくりだが、食べる量は桁が違う。もう、一食で三日分の食事は取れていた。


 で。


「エドナさんもよく食べますわね」


 カチュアの横にエドナも多くの肉中心の料理を食べていた。


 エドナもどんだけ、食べるんだよ。


 ただ、ゆっくり、食べるカチュアと違い、エドナは食べるのが、早い。


「エドナさん。そんなに早く食べては……」


 ユミルが心配する。


「大丈夫なんだよ。それよりも、おいしいよ。これ、ユミルさんも食べる?」

「わたくしは……肉よりも果実の方が……」


エドナは食べながら「大丈夫」って、言うけど。精神体になったため、最近食べていないから、分からないが、肉って、飲み込みにくい記憶があったたような……。


「うう!!」


 案の定、エドナは喉を詰まらせたようで、何かこういう時よく、胸元に手を叩くようなイメージがある。適切かはわからないが。エドナはそれをやっているつもりだろう。胸元は胸元でも、エドナは自身の膨らむに手で叩いているよう。叩くたび、揺れる、揺れるはこの憎たらしい膨らみが。


 こんな子でも、……いや、そんな言い方では、エドナ自身、悪い子みたいになってしまう。どうやら、ユミルが言うには、エドナは寝たきりのカチュアの側にずっと、居てくれていたそうだ。


 まあ、見ていたとはいえ、やはり、途中で寝てしまい、その時が大変だったそう。そこは、聞かなかった。ただ、カチュアが寝ていた部屋は、どうしたら、こんなことになるのかってくらい、ボロボロな状態だった。理由は恐らく、彼女の寝相に悪さだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る