後日談① ナギサイド

 カチュアとエドナは、ユミルの案内で、城の中を回っている最中だ。


「どーしたの? エドナちゃん?」


 急に止まったエドナ。彼女は、通路に置いてある銅像を眺めていた。


「その像が、どーかしたの?」

「……ユミル様! この像って、なんかの?」

「え!? この像ですか!? 確か……この像はお父様の師である人で、確か……ゼクゥンス殿ですわ」

「どーいう人なの~?」


 あの国王の師だから、スケベ心を持っているのでは?


「詳しくはわかりませんが、風の賢者の異名を持っていて、二十年前の戦いで、わたくしの父とシグマ様と一緒に、当時、悪帝に支配されていた、セシル王国を解放したそうですわ」


 ユミルの話を聞くと、エドナは再び、ゼクゥンスと呼ばれていた銅像を眺めていた。


「う~ん……」

「どーしたの? エドナちゃん?」

「なんか……似ているんだよ」

「だれに~?」

「あたしの村にいた、村長さんに。この像よりかはら老けているんだよ」

「そういえば、村長さんの名前って、なんていうのかしら~?」

「……」


 沈黙していますが。名前を知らなかったという、パターンじゃないよね。


「あれ? 名前なんだっけ?」


 やっぱりかい!


「あらら~? 知らなかったのかしら~?」

「村の皆は、村長さんって、言われていたんだよ。だから、てっきり、名前が村長っていうかと思ったんだよ」

「あらあら~、そーなの~?」


 いや、物語のモブキャラでも、そんな適当な名前を付ける人はいないでしょ。


 なんか……、その村長と、この国の変態王って似ているわね。雑な扱いをされているとことが。

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