2-6 ルナサイド
わからないこと、だらけのお二方だけど、ルナはそんな、カチュアさん達と、一緒に、ロプ村に向かうことに。そして、その道中の森に入っていったのです。
正直、このお二方と一緒に、無事にロプ村まで着けるでしょうか? 現にエドナさんが……。
「カチュアさーん! ルナちゃーん! 助けてなんだよー!!」
もう! どうして、こうなったんですか!!
道中、エドナさんが、転んで、樹木に、ぶら下がるように生えった、ツルに突っ込んで、そのツルに、全身、絡まっているのです。
「エドナちゃーん。それは、最近、流行っている遊びなのかしら~?」
「カチュアさん! あれ、遊んでいないですよ! トラブルですよ! 助けないと!」
「……」
どうしたんでしょうか? エドナさんを見つめながら、黙っちゃっいましたよ。
「……そっか~、わかったわ~」
もしかして、この人、この状況を理解するのに時間が掛かるんですか?
最初はのほほーんとしている感じの能天気な人だと思っていましたが、ルナの目論みに感づく程、鋭い人かと思いました。でも、やっぱり、能天気でしたよ、この人は。
「エドナちゃん~、待っていてね~」
カチュアさんは鞘に納めいた剣を抜いた。そして、斬る構えていました。……って! なんか、おもいっきり斬るような感じなんですよ! これ!
「ちょっ、カチュアさん! 一気に斬るつもりですか? エドナさん、落ちますよ! 足の方に絡まったツルから一本ずつ、斬るんです」
「え? ん〜……あ! わかったわ〜」
ルナは、次に斬るべきツルをカチュアさんに指示を出し、それをカチュアさんが、一本ずつツルを斬っていく。
時間は掛かりましたが、何とか、エドナさんをツルから解放が出来た。
「ふう、助かったんだよ!」
「もう、エドナさん。しっかりしてください!」
「はうう。気を付けます」
先が思いやられるますね。
それから、ロプ村を目指して、歩き出します。今のところ、エドナさんがドジって、やらかしてはいないです。
出来れば、その先も、やらかさないで欲しいです。
「そういえば、エドナさんは魔道具を持っていますけど、カチュアさんは持っていないのですか? 魔術は便利ですよ」
「うん。でも、持っていても、わたしは魔術が使えないのよ~」
ん? そんなことは、ないはずだわ。魔道具を持っていていれば誰だって使えるはず。
扱う属性の相性もあるけど。それ以外に、使えないとなると。
「もしかして、カチュアさんは、勉強が苦手な方ですか?」
「実は、そーなのよ~」
やっぱりですか。魔道具を持っていていれば誰だって使えます。ですが、それは、魔術に関する勉強をしていればの話です。
「そういえば、ルナちゃんが持っている、それも魔道具をなのよね?」
さっきも聞いていましたが、あの時は、話を後回しにしていましたから、説明していなかった。説明するのは面倒臭いですが、エドナさんが、キラキラした目で見つめるので、仕方がありません。
「そうですよ。先についてる玉が魔石で、棒部分が魔道鉱石と呼ばれる、魔道具を使えるために必要な鉱石です。そして、この杖は色んな属性魔術に対応しまています。でも、ルナの場合は、火と相性がいいから火の魔術を主体に扱います」
エドナさんの装備している。魔石から考えると、風。もう一つは魔石ではなく、聖石ね。てことは治癒術が使えるのね。
一応、会話はカチュアさんの中にいる人には聞こえいるっていいのかな? 確か、その人が表に出て、喋ると、体力が消耗するという話でしたっけ? カチュアさんに影響するかは不明だけど、今は彼女? と話すのは、やめといたほうがいいね。
「二人とも遅いですよ」
あれ? エドナさんが、いつの間にかいなくなっている。さっきまで話しを聞いていたのに。エドナさんらしき声がする方角を見てみると、かなり遠くまで離れたところに、エドナさんがいました。
「エドナさんが速いんですよ。一応、皆で行動しているんだから。団体行動を崩さないでください」
「あ! ごめんなんだよ」
エドナさんは駆け足でルナたちのところまで戻ってきました。この人、胸は大きいのになんで、あんなに速く走れるんですか?
「はわわ!! ルナちゃん!! どこを掴んでいるの!?」
無意識にエドナさんのお胸を鷲掴みしてしまった。
悔しいですけど、この柔らかさは本物の胸です。作り物ではありません。
「エドナさんって、走るのが速いですよね?」
「それが……どうしたの? ……あ! そこは……!」
はたから見ると変態ですよね、ルナは。
「ルナちゃん! あ、あたしは……牛さんじゃ……ないから……ミルクは……出ない……んだよ……!」
は! エドナさんが、とんでもないことを言ったのを、耳にしてしまったからか、我に戻って胸を揉んでいた手を離しました。てか、ミルクを飲みたいから揉んでいたわけじゃないよ。というか、エドナさん妊娠していないでしょ! 出るわけないでしょ! まったく。
「変なことを言わないでください! エドナさん!」
「変なことって、何?」
「それは……そんなこと言わせないでくださいよ」
お互い顔を赤なっていました。そんな最中に、突然、カチュアさんは剣を構えたのです。
「何か、くるわよ〜」
「何も見えないけど……」
「エドナちゃん。あそこに何か見えるかしら〜。何匹か……多分、狼さんだと、思うわ〜」
カチュアさんが、指を刺した方角を、エドナさんが眺めています。
「はい……、あ! 何匹かいました」
え? 見えるんですか? ルナには見えないです。
「さてっと……」
シュパーーーン!!! ドシン!!
「わ!?」
突然、ルナの真上から、何かが、降ってきた。
「狼?」
そう、降ってきたのは狼型の危険種の死骸だった。毛が赤色ね。これはデッドウルフという狼型の危険種で、一度、狙った獲物を、死ぬまで、しつこく追いかける危険種です。
「ぐるるるる」
背後にはデッドウルフが五匹ぐらい現れた。その一匹がルナ目掛けて襲い掛かってきました。
「さっきは、油断はしましたが」
ルナは持っていた長杖を、襲い掛かるデッドウルフに向け。
「放て!!」
次の瞬間、長杖の先に付いていた魔石から炎が出現。
ボーーーーーー!!!
火の魔術で狼を燃やしました。
でも、狼一匹に、この火力は大げさかも、しれないです。
「わあ~。熱そうだわ~」
デッドウルフの死骸は、ほとんど灰になり、跡形もなくなっている。
だけど、ルナが倒したのは、まだ、一匹。まだ、デットウルフは残っています。
あ! そうだ! カチュアさん達は?
カチュアさんは、弓を構えるエドナさんを守りつつ、狼を斬りつけいました。
「ルナちゃん、だいじょぶ?」
一瞬、ルナの方へ顔が向く。
「カチュアさん! よそ見しないでください!」
「え?」
「ちょっと! カチュアさん! 後ろ見てください後ろ!」
カチュアさんの後ろにデッドウルフが襲い掛かって来ました……。
バッコーーーン!!!
カチュアさんを振り向かず、デッドウルフを上の方に殴り飛ばす。
「後ろが、どーしたの?」
落ちてきた、デッドウルフには顔の原型を留めていなかった。
「殴り殺したよ、この人……」
カチュアさんが、恐ろしく見えてきました。
「カチュアさん終わりましたよ」
終わって、確か、ここから、デッドウルフを射っていたんですよね? ルナには見えないけど。
「じゃあ、片づけたし、行こうか~」
「え? ちょっと!」
しばらく歩いていると、思わず立ち留まってしまったのです。だって、ルナ達の目の前には、何かがいました。それはデッドウルフ! と、思いましたが、その死骸だったのです?
もしかして、これがエドナさんが射っていたデッドウルフですのね。でも、あそこから、かなり、歩いたような……。ということは、あの距離で射ったてことですか? そうなると、エドナさんは視力は異常過ぎます。で、ここから聞こえてしまうカチュアさんの聴力も桁外れです。
「ほんと、あなた達には驚かされます」
「そーなの〜?」
いや、そうでしょ。特にカチュアさんが只者ではないです。自分の背丈よりも、大きい剣を片手で持ててしまうし、ガタイのいい男のパンチを、パンチで返して、その男の手の骨を砕く。かなりの怪力の持ち主です。
それだけではない。なんか、ルナの考えていることが読まれていた気がする。
「カチュアさんは、あの大きな剣を軽々しく、持っているなんて……、どこから、そんな力があるの?」
「え? ん〜。普通よ~」
普通じゃないから、聞いているんですよね。普通だけで、片付けないでくださいよ。
「カチュアの大剣は、筋肉もりもりの男でも、持つのは難しいですよ。それも片腕で。しかも、カチュアさん自身の体格も、腕が、かなり細いですよ」
カチュアさんの体は細い方です。それなのに、あの怪力です。
「そんなこと、いわれても……」
「いいえ、なんか秘密があるはずです。例えば……その細い体に似合わない、デカすぎる胸とか!」
「え! 胸!?」
「きっと、その胸の大きさに、秘密があるのです。そう、おっぱいの大きさイコール戦闘力です」
「あの~。さっきから、目が怖いわよ~、ルナちゃん」
「触らせてもらいます!」
先程、エドナさんの胸を揉みましたが、今度はカチュアさんのお胸を鷲掴みしました。
「ちょっと、待って……いやーーー!!! 強く揉まないでーーーー!!!」
「わ! 柔らかい! すごいです!」
カチュアさんが叫んでいる。この人、あまり動じないイメージはありますが、こんな声出せるんですね。
そう言えば、エドナさんを見かけないような……。
「あれ? カチュアさんの声が聞こえるんだよ! ……気のせいかな?」
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