放送研究部の非日常 〜青春ロード〜
@tsumemoto
未知の領域
第1話 日常が非日常に変わってしまった
ここはとある高校の放送研究部の部室。
部室はかなり散らかっていた。
いつものように部の中でリーダー的な存在であるタイガがみんなの前でギャグを披露した。
部員達はタイガのギャグを見て、ゲラゲラと笑っていた。
みんながはしゃいでいる中、ヒロは1人だけ黙って漫画を読んでいた。
「ハハハハハハハハ」
「ハハハハハハハハ」
「ハハハハハハ、変顔がめっちゃヤバイ」
「ハハハハハハハ、最高!」
「プッ、ハハハハハハハハ」
タカヒロはヒロを誘った。
「一緒に見ようよ!面白いって!」
タカヒロは張り切ってヒロを誘ったが、あっさりと断られてしまった。
「いや、良いよ。大丈夫。」
「ええ〜」
タカヒロは少しがっかりした。
「ハハハハハハ、笑いすぎてお腹がヤバイ」
ツバサは笑いすぎてお腹が痛くなっていた。
部室にはいつもと同じ光景が広がっていた。
しかし、どこからかピッと音が鳴ったかと思うと、一瞬だけタイガ達の視界が暗転した。
「えっ、何!?」
「今、何が起こったの!?」
「ピッって音がして、一瞬だけ暗くなったような」
「もしかして、停電とか?」
「停電って言うか、目の前が真っ暗になって何も見えなくなったって言うか」
みんなは突然の出来事に驚いて、混乱していた。
すると、得体の知れない何かがゆっくりと近づいてくる音が聞こえてきた。
みんなは窓の方に集まった。
ツバサとタケシは再び起こった突然の出来事に再び驚いていた。
「何、この音?」
「えっ、何が起こってるの?」
タカヒロは危険を察し、逃げようとした。
「みんな、早く逃げた方が良いって!」
タカヒロは焦った口調で言ったが、タイガは逃げようとせずむしろ窓の外から聞こえる音に興味津々だった。
「こんな感じ、けっこう映画で観たような、面白そうだから見てみようぜ!」
タイガは張り切って窓を開けた。
窓を見てみるとそこには風変わりなニワトリがいた。
タイガは巨大で風変わりなニワトリを見て、ゲラゲラと笑った。
「ハハハハハハ、何か変なのがいるぜ!」
すると、ニワトリはニョーと叫ぶと同時に謎の閃光を放った。
部員達は絶叫した。
「あああああああああああ」
部員達は気絶してしまった。
しばらくして部員達は目を覚ます。
ツバサはみんなを気遣った。
「みんな、大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
「良かったぁ」
ツバサはホッとした。
「何だったんだ、あの変なニワトリは?」
ヒロはあのニワトリが何なのかと言う事が気になっていた。
タイガは何が起きたか調べるために部室を出るようみんなに言った。
「とりあえず、何が起こったか見てみようぜ!」
部員達は部室を出た。
すると、学校には部員達を除いて誰もいなかった。
「あれ、誰もいないけど」
「みんな帰ったとか」
「そんなはずないよ、だってまだ夜にもなってないし、それに部室に入る前は人いたよ」
「だよな」
「だったら何で誰もいないんだ?」
タカヒロは窓から校庭を見てみた。
しかし、校庭にも誰一人いなかった。
「えっ、校庭にもいないの?いつもは部活で校庭走ってる人たくさんいるのに」
「本当だ!校庭にもいないや」
部員達は学校の外も調べてみた。
「学校の外も調べてみようぜ!」
「あのニワトリがまだ近くにいるかもしれない外に行くのはちょっとマズイと思うけど」
今、外に出るのはマズイと考えたツバサはタイガに気遣いながら言った。
タカヒロはツバサの一言で例のニワトリを思い出した。
「そう言えばあの変なニワトリはどこに行ったんだろう?」
部員達は辺りを見回して例のニワトリを探した。
「あのニワトリ、どっかに消えた!」
ヒロが大きな声で言った。
「どこに消えたんだろう?」
タカヒロは不思議そうに言った。
「とりあえず、この近くにはいないみたい」
「それに破壊された跡もないからあのニワトリは安全だと思う」
タカヒロはホッとした感じで言った。
それを聞いて、タケシもホッとした。
「良かったぁ」
「それじゃあ、もっと調べてみようぜ!」
タイガは張り切ってどんどん進んで行った。
ツバサはある事に気付いた。
それは辺りの様子がいつもと変わらないように見えるが注意深く見るといつもと何かが違っていると言う事だった。
「あれ、何かおかしくない?」
「おかしいって、何がおかしいんだよ?」
タイガは不思議そうに聞いた。
「だって、あそことかも何かいつもと違うし」
ツバサはいつもと違う所に指を指した。
ツバサが指を指した方にはビルがあったが、そのビルと近くにあった橋が変形し、連結した。
「ほっ、本当だ!」
タイガは我を忘れたかのようにツバサが指を指している所をジッと見つめた。
「まっ、マジかよ!」
「こんなことってあるの?」
ヒロとタカヒロも驚いていた。
さらに、空を見てみると未知の飛行物体がチラホラ飛んでいた。
「もしかしてあれUFOじゃない?」
タケシは空に指を指して言った。
「本当だ、あれUFOだ!」
「UFOも飛んでるのかよ」
「何かもう頭がおかしくなりそう」
部員達は次から次へと起こる不可思議な出来事で気が変になりそうだった。
「もしかしたらもっとおかしな事が起こってるかもしれないぞ!」
タイガは大きな声で言い、部員達は町の方も調べてみた。
すると、道路の中が開き、そこから車が出てきた。
「皆、見て!道路の中から車が出てきた!」
「本当だ!」
「どうなってんだろう?」
部員達は不思議に思ったが、次から次へと不可思議な出来事を目の当たりにしたせいであまり驚かなくなっていた。
さらに調べてみるといつもはそこに遊園地はないはずなのに遊園地があった。
「えっ、何でここに遊園地があるの?」
タカヒロは不思議そうに聞いた。
「前、この遊園地で遊んだ事あるけど、この遊園地は違う所にあったような気がするけど」
タケシはみんなに聞いた。
「ねぇ、ここってどこ?」
「あっ、わかった!たぶんこれは夢だ!」
ヒロは少しふざけた感じで言った。
タイガはヒロに対していら立ち、不快な目でヒロを見た。
他のみんなはヒロをけげんそうに見た。
「あっ、ご、ごめん」
ヒロは自信なさそうにおどおどして申し訳なさそうな感じで謝った。
タイガ達は引き続き調べていった。
タイガ達が町をぬけるとそこにはジャングルが広がっていた。
「あっ、ジャングルだ!」
「何がどうなってんの?」
「って言うか、何が起こってそうなったの?」
「日常と非日常が混ざり合っていると言うか、何というか」
タカヒロがこの状況を考察した。
タイガ達は日常なようで日常とは違う状況、そう、タイガ達が今まで過ごしてきた日常と似ているけれど、少し違う非日常にとまどいつつも目の前にある非日常を受け入れるしかなかった。
「この状況は何だろう?」
「何が起こってこうなったんだろう?」
タイガ達はこの状況を受け入れつつもこの状況に対して疑問を感じていた。
「あっ、もしかして!そうか、わかったぞ!」
タイガは大きな声で言った。
「えっ!」
ツバサは突然、タイガが大きな声でしゃべったので驚いてしまった。
「一瞬だけ目の前が真っ暗になっただろ?」
タイガはこの状況が何なのかと言う事を説明しだした。
「うん」
タケシはうなづいた。
「たぶん、その時に何者かが俺らを全く別の世界に送ったんだと思う」
タイガはいつもの日常と似ていてどこかいつもの日常とは違うこの状況が何なのかと言う事に気付いた。
「どういうこと?」
タカヒロはあまりピンと来なかったので聞いてみた。
「ここは異世界だ!」
「俺達は異世界にいるんだ!」
タイガは思っている事をそのまま答えた。
「マジかよ」
タカヒロは呆然と立ち尽くした。
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