第3話 異世界の正体

 ワンダーバードは張り切ってみんなを案内しようとしていた。


しかし、タイガはすねてみんなと離れていた。


「タイガさん、ワンダーバードはこの世界のことを何でも知ってるみたいだし、仲良くした方が良いんじゃない?」


タカヒロは落ち着いてタイガを説得しようとした。


「あぁ!?」


タイガは鬼の形相でタカヒロを威圧した。


「ワンダーバードと一緒にこの世界を探検して良い?」


タカヒロは少し怯えた感じで聞いた。


「チッ、勝手にしろ!」


タイガは冷たそうに言った。


「フレンドリ、聞きたいことがあるけど良い?」


ヒロはワンダーバードに聞いた。


「何でしょう?」


「巨大なニワトリが出てきて、そのニワトリはいきなり謎の閃光みたいなのを僕らに放ったけどそのニワトリについて何か知ってることある?」


ヒロは謎のニワトリに出くわしたことを話した。


「ああ、そのニワトリは僕の友達だよ」


「ほ、本当に!?」


「う、うそっ!?」


「マジかよ」


ヒロ、ツバサ、タカヒロは驚いた。


「じゃあ、ニワトリが放った閃光は何なの?」


ヒロがワンダーバードに聞いた。


「あれは簡単に言えば威嚇するための閃光だよ」


「えっ、威嚇ってどういうこと?」


「何で僕らを威嚇したの?」


「もしかして怒らせたとか?」


「まさか捕食対象として見てたとか、襲おうとしてたとか」


ヒロ、ツバサ、タカヒロは再び驚いた。


3人は驚きのあまりにオタオタした。


「別に気にしなくて良いよ。まあ、あいつは前から人見知りな所あるから」


ワンダーバードは笑いながら言った。


「何だ、そう言うことか」


「良かったぁ〜」


「どうなるかと思った〜」


3人はホッと胸をなでおろした。


「他に何か気になることはありますか?」


ワンダーバードがみんなに聞いた。


「そうそう、ずっと気になってたことなんだけど、何て言うかこの異世界の正体は何なの?」


ヒロがワンダーバードに聞いた。


「異世界か、まあ、君達からしてみればここは異世界だな(心の声)」


「この世界の正体なら知ってるよ!」


ワンダーバードは自慢げに言った。


「ほ、本当に!?」


「この世界の正体って何なの?教えて!」


タカヒロとヒロはワンダーバードに詰め寄った。


「でも、教えな〜い」


ワンダーバードはからかうように言った。


「ええ〜」


タカヒロはがっかりした。


「僕が教えても良いですけど、自分達で考えて試行錯誤して答えを見つけるのが面白いと思うよ」


「そう言われても」


みんなはあまり気乗りしなかった。


「どうにかしてこの世界に興味を持ってもらわないと、あっ、そうだ!良いこと思いついた(心の声)」


ワンダーバードは何か思いついた。


「この世界を紹介して行く前に驚くべきことをみんなに言いたいと思います。この世界にはなんと君達がいた世界のどんな宝をも凌駕する価値のある宝が隠されているんだ。その宝はバーチャルアークと言ってどんな願いも無制限で叶えることができるんだ」


ワンダーバードは宣伝するような感じで言った。


「何!?宝だと!?なぜそれを先に言わないんだ!」


タイガは大声で言った。


「まったく、現金というか何というか」


ワンダーバードはため息をつくような感じであきれて言った。


みんなはタイガをけげんそうに見ていた。


「宝ってどの辺にあるの?」


「宝のありかが書かれてる地図とかない?」


ヒロとタカヒロはワンダーバードに目をキラキラと輝かせながら聞いた。


「あるさ!僕の脳内にね!」


ワンダーバードはくだけた口調で言った。


「もしかして、また教えないの?」


ヒロは不満そうに言った。


「フッ、まあね」


ワンダーバードは笑って言った。


「そこをどうにか教えて欲しいです」


「お願いします」


タケシとツバサはワンダーバードにお願いした。


「そんなに知りたいのか?」


ワンダーバードはくだけた口調で言った。


みんなはうなづいた。


「あ〜、それほど知りたがってるなら、ますます教えたくないな〜」


ワンダーバードはくだけた口調でからかうように言った。


「そ、そんな」


タケシはがっかりした。


「ハハハハハハハハ、でも、大丈夫だよ!周りを調べてよく考えたらすぐに分かるよ。」


ワンダーバードはノリの良い感じで言った。


「あっ、もし宝を探すのであればこの世界の正体を知っておいた方が良いと思うよ」


ワンダーバードは異世界の正体を探るように言った。


「この世界の正体を知ることで宝を探す上での何かしらのヒントを得られるかもしれないからね。まあ、この世界の正体が分かったとしても君達は宝を探すのにかなりの年月を費やすかもね。もしくは見つけられないかもしれないし」


ワンダーバードは少しふざけた感じで言った。


「な、長い年月!?ど、どれくらいかかりそうなの?そんなに難しいの?」


ヒロはあたふたした。


「ごめん、冗談だよ!気にしないで」


ワンダーバードはホローする感じで言った。


「それじゃあ、この世界の正体を探るか」


タイガ達はこの世界の正体が何なのかを調べることにした。


「さっき見たものの中でヒントになりそうなものはあるか?」


タイガはみんなに聞いた。


「う〜ん、ヒントになるって言ったらあれなんだけど、この世界は何て言うか現実の世界と同じ部分もあるけど現実の世界とは違うってことには気づいた」


「とりあえず、今、分かってるのはこの世界は何が何だかよく分からないって言うこと」


「あっ、もしかしたらこの世界は現実の世界を元にしてアレンジした世界とか」


「それはありえるな」



タカヒロ、ヒロ、ツバサはそれぞれの意見を言い、タイガはこの世界は現実世界をアレンジしてできた世界であると言うツバサの説が有力だと感じた。


「よし、辺りを調べるぞ!」


タイガ達は辺りを調べてみることにした。


「何か、未来っぽい建物がいっぱいある!あっ、そう言えばさっきは空に未来っぽい飛行物体が飛んでた」


ヒロは興奮して言った。


「ってことは未来の世界かな?でも、何て言うか僕らがいた世界とは微妙に違うし、僕らがいた世界って感じじゃないし、未来っぽい部分もあるけどそんなに未来って感じじゃないな〜」


タカヒロが考察した。


「この世界には現代的な部分がけっこうあるね」


ヒロがうなづいた。


「もしかして、ここは並行世界?」


タカヒロはこの世界は並行世界ではないかと考えた。


「あっ、何か変な生き物が空を飛んでる!」


タカヒロは指をさして言った。


「ホントだ!」


タケシは驚いた。


「あれっ、これって、漫画やアニメでみたことあるやつだ!」


タイガも驚いて指をさした。


「普段見慣れている風景、テレビで見るような非現実的な光景、過去に訪れた記憶がある場所、漫画やアニメで見たことがある生き物、どう言うことだ(心の声)」


タイガは考察した。


「そうか、分かったぞ!この世界の正体が!」


タイガは大声で言った。


「えっ」


「ほ、本当に!」


みんなは驚いた。


「ああ、この世界は俺らの頭ん中の情報でできてるんだ」


タイガは自信満々に言った。


「その通り!さすがですね!でも、惜しいですね。点数をつけるとしたら90点ぐらいだな」


ワンダーバードはタイガをほめつつ、少しからかうように言った。


「ああっ!?」


タイガはワンダーバードをにらみつけた。


「正確に言うとここは君達のいた世界の人々の記憶でできてるんだ」


ワンダーバードは得意げに言った。


「ところで、フレンドリさん。ここはいろんな人の記憶でできてるのになんでごちゃごちゃした感じになってないの?」


ツバサが不思議そうに聞いた。


「良い質問ですね!それは複数のコンピューターが連携して様々な記憶のデータを上手い具合に組み合わせて補正しているからです」


ワンダーバードは喜んで答えた。


「つまり、コンピューターが創り出した世界にいるってこと?」


ツバサは驚きのあまり頭が真っ白になった。


「その通り!」


ワンダーバードは得意げに言った。


「ってことは記憶を上手い具合に組み合わせた世界にいるってことだから、コンピューターの夢の中にいるってことか」


ヒロは高らかに言った。


「まあ、基本的には人が脳内で記憶を組み合わせて夢を見るのと同じですね。ヒロもけっこう物知りだな」


ワンダーバードはヒロをほめた。


「やった、前に言ったここは夢だってやつ、あれ、当たってたんだ!」


ヒロは喜んだ。


「けっ!」


タイガは馬鹿にしたような感じで威圧した。


「い、いや、何でもない」


ヒロは自信なさそうに言った。


 タイガ達は衝撃の事実に何が何だか訳が分からず、頭が真っ白になったが、すんなりと事実を受け入れることができた。


なぜなら、現実の世界でも時々、不可思議なことが起こったりするからだ。











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