第2話 ワンダーバード
タイガ達は辺りに広がっている非日常の正体に気付いた。
すると、突然、謎の鳥がやってきた。
それは奇抜な見た目をしていた。
みんなは驚きのあまり、一瞬、固まってしまった。
「ようこそ、ムーマ・パラダイスへ!」
謎の鳥は紳士的に話しかけてきた。
「うわっ、何か変な鳥がきた」
タイガは鳥が話しかけてきたので驚いた。
「おやおや、見るからに頭の悪そうな人間だなあ〜」
謎の鳥は負けじとくだけた口調で言い返した。
「うるせぇ、消えろ!」
タイガはどなった。
タイガは謎の鳥に向かって石を投げたが、なかなか当たらない。
「フッ、僕は放物線を完璧に理解しているんだぞ。こんな石ころを避けるのは朝飯前だわ」
謎の鳥はタイガをからかった。
「クソッ、って言うかお前、誰だよ?」
タイガはいらだちながら言った。
「おやおや、脳ミソの小さいそこの君、名前を聞く時はまずは自分から名乗るって親から習わなかったんですか〜?」
謎の鳥はさらに馬鹿にするような感じで喋った。
「チッ、俺はタイガだよ」
タイガは不機嫌そうに答えた。
「私はワンダーバードでございます」
ワンダーバードは紳士的な感じで名乗った。
「紅一点のあなたは?」
ワンダーバードはツバサに名前を尋ねた。
「私はツバサです」
「魅力的で良い名前ですね」
「僕はヒロです」
「僕はタカヒロです」
「おおっ、ってことはダブルヒロってことか!」
ワンダーバードは明るくフレンドリーな感じで話しかけた。
「って言うか、お前、さっきからなれなれしいんだよ!」
タイガはキレるような感じで言った。
「おやおや、そこのおサルさん、私に何か言いました?」
ワンダーバードは見下すような感じで言った。
「別に」
タイガは明らかに不機嫌そうな感じで目をそらした。
「まあ、お互いフランクに仲良くやっていきましょう!」
ワンダーバードは明るい口調で言った。
「ところであなたの名前は?」
ワンダーバードはタケシに名前を尋ねた。
「僕はタケシです」
「おお、たくましそうで良い名前ですね」
「いや、そんなことは」
「いえいえ、もっと自分に自信を持った方が良いですよ」
「それじゃあ、もっと親しくなれるようにお互い、あだ名で呼び合うのはどうでしょうか?」
ワンダーバードはさらに明るくフレンドリーな感じで接した。
「はーい、お前は焼き鳥で良いと思いまーす」
タイガははやし立てる感じで言った。
「それじゃあ、タイガは原始人ってあだ名で」
ワンダーバードは負けじと馬鹿にしたような感じで言い返した。
「ふざけんな!お前、鳥の分際で生意気だし、しかもウザいんだよ!謝れ!」
タイガはとっさにどなった。
「ほぉ〜、さすがに今のは傷ついたね。それに、僕は君に対して敵意を持ってないのに君は僕に対して敵意を持っているような接し方をするなんて何か悲しい」
ワンダーバードは暗そうな感じで言った。
「まあ、僕も僕でいろいろと少々、口の悪いことを言っちゃったのは大人げないと思ってる」
ワンダーバードは真面目な感じで言った。
「でも、先に謝らないといけないのは君の方じゃないのかな〜」
ワンダーバードはくだけた口調で言った。
「へっ、お前が謝れよ!」
「お前がちゃんと謝れば俺も謝ってやるぜ!」
タイガはふざけた感じで言った。
「タイガさん、ここは、その、な、何て言うか、謝った方がよろしいかと」
ヒロはしどろもどろで言った。
「チッ」
タイガはヒロに向かって舌打ちした。
「い、いえ、な、何でもありません」
ヒロは少し小さな声で言った。
「おい、焼き鳥!だいたい、鳥の分際で人間に対等で接すること自体が生意気なんだよ!」
タイガはくだけた口調で言った。
「本当に謝る気はなさそうですね、って言うか私も少しイラついてきたけど」
「はっ、だってよ、人間の方が上に決まってんだろ!」
タイガはさらにくだけた口調で言い返した。
「ちょっと、タイガ」
ツバサは止めようとした。
「だまってろよ」
タイガは少し荒れてる感じでツバサに言った。
ツバサは動揺した。
「ごめん、まぁ、気にすんなよ」
タイガはホローする感じで言った。
「まぁ、謝らないなら謝らないでけっこうですけど、そのかわり、こっちも謝るつもりはありませんので、私は負けず嫌いなので」
ワンダーバードは真面目そうな感じで言った。
「あぁ、そうかよ!」
タイガは強がってる口調で言った。
「後、思ったけどよ、こいつ鳥のクセして何かちょっと偉そうなのが気に入らないんだよな」
タイガはワンダーバードに指を指しながら言った。
「おやおや、実は鳥もけっこう恐ろしいんですよ〜。なんたって鳥の祖先は恐竜なんですから〜。ちなみにニワトリの祖先はかの有名なティラノサウルスですよ〜」
ワンダーバードはユーモラスな口調で言った。
「あぁ、映画とかアニメによくでてくるやつか」
ヒロは映画やアニメで観た恐竜を思い出した。
「へっ、でも、今は人間の方が上だろ?昔は恐竜だったか、何だったかはわからんけどよ。しょせん鳥なんてものはな、人間の食べ残しでも食べてれば良いんだよ!それに昔のことなんて関係ないだろ」
タイガは馬鹿にしたような感じで反論した。
「確かに君達の世界では鳥より人間の方が上ですね。だけど、ここでは違いますよ。なぜなら、私はこの世界だけではなく、君達の世界に関することを全て知っているからね。要するに私は君達を凌駕する知識を持っていると言うことです」
ワンダーバードは少し自慢げに言った。
「確かに物知りな感じがしますね」
「いえいえ、それほどでも」
ワンダーバードは嬉しそうな表情をした。
「ところで、ワンダーバードさん」
「何でしょう?」
「ワンダーバードさんはフレンドリーに接してくれるからあだ名はフレンドリって言うのはどうでしょうか?」
「まぁ、つたないアイディアですけれども」
ツバサはワンダーバードに提案した。
「とんでもない!とても良いですよ!ネーミングセンスも素晴らしいですね!ツバサ、タケシ、ダブルヒロは何か優しそうだし、タイガは乱暴な所はあるけど、フランクに話しかけてくるから上手くやっていけそうです」
ワンダーバードは嬉しそうに言った。
「けっ!」
タイガは相変わらず不機嫌そうな様子だった。
「口ばしは黄色で羽は白と黒が入ってるんだ。何か個性的で良いね」
ヒロはワンダーバードの口ばしの色と羽の模様が気になってた。
「ああ、これは人種平等を表してるんだよ。どうだ、素敵だろ?」
「おぉ、めっちゃ良いね」
「センス抜群って感じがする」
「何か素敵な気持ちになれる」
ヒロ、タカヒロ、ツバサはワンダーバードの体の色に見とれていた。
「実を言うと私はみなさんにこの世界を知ってもらうためにこの世界を案内する仕事をやっています。と言うわけで今から案内していくよ!」
ワンダーバードはとても張り切っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます