第35話 welcome

 地面に激突すると思ったその時、体がフワフワするような感じがした。



タイガ達はゆっくりと地面に着地した。



「なんだろう、この感じ、一瞬だけ体が軽くなったような気がする」


すると、謎の声が聞こえてきた。


「少しの間だけ重力を弱くしたんだ」


「この声、さっきの(心の声)」


「誰だ?」


「私は夢魔(ムーマ)」


「ムーマ、お前がムーマか、俺はタイガだ」


「大丈夫、言わないで良い。君達の事は全て把握済みだ」


「あいつらを上手い具合に誘導して連れてきたぞ(心の声)」


ワンダーバードは任務を上手く遂行できたので嬉しそうだった。


「ワンダーバード、何か嬉しそうだな」


「えっ、そうですか」


「ここが神秘の記憶か」


「でも、何もないけど」


「何かを埋めたような跡があるぜ」


「ほんとだ」


「ここにはタイムカプセルが埋められてます。埋められてるタイムカプセルにはそれぞれの記憶が入ってます」


「埋められてるタイムカプセルには神秘の記憶に関するものとかバーチャルアークに繋がる記憶が隠されてるかもしれないってことか。調べるぞ」


タイガ達は地面を掘ってタイムカプセルを調べてみた。


「宇宙飛行士になりたい、銀河鉄道に乗りたい ツメモト ってなんだこれ」


すると、タカヒロが何かを見つけた。


それはクロスワードパズルだった。


タイガ達はクロスワードパズルを解いてみた。


ところが分からない部分が出てきた。


それはヒロが孤立してしまった教室の生徒に関するものだった。


ヒロはじっくりと考え込んだ。


すると、ヒロの目の前には教室が広がっていた。


周りの生徒は疑いの眼差し、刺すような視線、目には見えないバリアーでヒロを包囲していた。


ヒロは一瞬、戸惑ったが、勇気を持って話しかけてみた。


気がつくとそばにタカヒロもいた。


ヒロとタカヒロはどうにかこうにかクロスワードパズルの答えのありかを聞き出した。


それは教室のとある机の引き出しの中だった。


2人は答えが分かった。



2人は信頼や絆を得た喜び、達成感で満面の笑みを浮かべた。



「何、にやけてんだよ」


「答えが分かったんだ」


「でかしたぞ!」


タイガ達はクロスワードパズルを完成させた。


すると、クロスワードパズルは英文のようなものに姿を変えた。


「な、なんだこれ!?」


「暗号かな?」


タイガ達は目をまん丸くし、口をあんぐりと開けた。


whatdoyoueatyourbreakfastmtpmdjthmdwvp?


ellenfightswmgpwmdahmemwpgnwmdagmm?


lisagoestoschooldoeslisalikedogskeita@jkwf?


cbtntmtgmwtjattpbhhtvwhendoyoustudybab?


octopusisveryverygreatoctopusesruletheearth?


mamisveryimportangaatormomlikesfamilyend?


eevydkjtjmdeajwtpgjmeeevydkjtjmdeajwtpgjme@@jftsmnopu593416?


タイガ達は四苦八苦した。


「これ、何の意味なんだ?」


「何か人の名前っぽいのがある」


「だね」


「朝食べたものが何か関係してんのか」


「もしかしたら朝食が何か別のものを表してる的な感じじゃない?」


「おっ、ありえるな」


「リサって誰だ?リサってやつが何か関係してんのか?リサは学校に行くってやつが別のやつを表してんのか?」


「ケイタって人も出てきてる」


「ケイタか、もしかしてリサの彼女か?」


「疑問形の文がけっこうあるけど何を聞いてるんだろう?」


「文法になってないのが多いけど」


「同じ文字を消して読んでみようぜ」


「そうだね」


「規則性みたいなものは無さそうだけど」


「jkwfって何だ、何を意味してるんだ?」


「タコも出てきてるけど、タコが何か関係してるのか、それともタコは別の何かを示してるのか」


「エレンってやつも何か関係してるのかな?」


「この丸の中にaがあるのは何だろう?」


「最後の数字、593416はもしかして、ごくさしいろかもしくはこくみよいろって感じかな」


「あっ、ってことは16はcolorを表してるんじゃないか」


「593年の4月16日ってのもありじゃない?」



「593年?593年になんかあったってことか?」


「あぁっ、もう、全然わかんねぇぇぇぇぇぇ!チッ、マジでイライラする」


「おやおや、皆さん。苦戦しているようですねぇ」


ワンダーバードはニヤニヤしながらタイガ達を見ていた。


「うっせぇな、殺すぞ」


タイガはワンダーバードを睨みつけた。


「最後の数字は緯度や経度とかじゃない?」


「番地なのか、いや、番地はないか」


「車や船の番号とか」


「あっ、ちょっと待って」


タケシが何かに気づいた。


「何か、分かったか?」


タイガは嬉しそうにタケシを見た。


「ウェルカム」


「ウェルカム?はぁっ、何言ってんだ、お前?」


「文頭の方を順番に見るんだ」


「welcome」


「あぁー、なるほど。すごいじゃん、タケシ!」


「タケシ、やるじゃねえか」


すると、例の声が聞こえた。


「welcome!」


周りがバッと明るくなり、辺り一面に映像が映し出された。














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