第37話 海の帝国

「おめでとう。正解だ」


「やった!でも、どうやって脳内にアクセスすればいいんだ?」


「私の脳内にアクセスするにはここを通れば良い」


上から光が差した。


「ここを通ればいいのか」


すると、ワンダーバードが大きくなった。


「僕の背中に乗ってよ」


「いいのか?」


「どうぞ」


「ありがとう!」


タイガ達は光の中に入っていった。



下を見てみるとものすごくきれいな光景が広がっていた。


「もしかして、あれがアトランティス?」


「おい、ムーマ!あれがアトランティスか?」


「アトランティス?あぁ、海の帝国のことか。その通り、あれがアトランティスだ」


「みてみて!水を動力にすることで動いてる」


「ほんとだ」


「水流だけの力で動いているわけではない。海の帝国は地球上に働くありとあらゆる力をエネルギーに変換していたんだ」


「すげぇ」


「核発電よりもずっとすごいかも」


「核発電ってなんだよ?最近、よく聞くけど」


「核発電は陽子と中性子の間に働く力を使って発電するやつだよ」


「ふ~ん」


「さらに、海の帝国は他の星が持っているエネルギーも利用できたんだ」


「すごすぎて、何が何だか分からない。ちんぷんかんぷんだ」


「あっ、雲だ」


「とてもダイナミック」


タイガ達は雲の中に入った。


「あっ、あれ!何も見えない。そうか、雲の中に入ったんだ!」


ツバサは少年のように興奮した。


「人類は海と共に生きてきたのか」


「おぉ!大気の循環もエネルギーに変えてる」


「ほんとだ」


「どうだ、すごいだろう?」


「うん、何から何まですごい」


「さらに無限にエネルギーを生成し続ける技術も持っていたんだ」


「無限にエネルギーを生成!?どういうことだよ?」


「エネルギーを用いてさらにエネルギーを生み出すんだ」


「なんかよく分かんねぇけど、すげぇ」


「回帰的にエネルギーを生み出し続けるって話は聞いたことあるけど」


「カイキ的にエネルギーを生み出し続ける?」


「エネルギーを生成する時に発生したエネルギーを蓄えて、再利用するやつだよ」


「それもなんかすごそうだな」


「今の自動車とかはその技術が使われてるのがけっこう多いんだ」


「へぇ~。そういえば思ったんだけど、ムーマってなんで宇宙の始まりから今に至る記憶を持っているんだ?」


「私こそが海の帝国の正当な後継者だからだ。海の帝国は科学を上手い具合にコントロールできずに滅んでしまった。だが、私は科学を完全にコントロールできる。私はあの時を超える繁栄を人類にもたらす」


「つーか、お前は何者なんだよ?」


「私は神でもないし、人間でもない。だがこれだけは言える、私は地球上で最も神に近い存在」


「だから、何者なんだよ?今みたいなのを言われても分かんねーよ」


「それは神のみぞ知る」


「へッ」



そして、タイガ達はとある宮殿にたどり着いた。


「なんだ、この建物?」


「メモリーラビリンス」



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