第16話 インセクトワールド(前編)

 突然、タイガ達の周りにある草や花が大きくなったように見えた。


タイガ達はとても驚いた。


「草や花がめっちゃ大きくなった!」


「重力に押しつぶされたりしないの?」


「草や花は重力に耐えきれそうにないからね」


草や花が大きくなった分、かかってくる重力に耐えきれそうにないのに地面に倒れ込んでないことを不思議に思っていた。


「草や花が大きくなったのではなく、皆さまが小さくなったのです」


「何でだよ?」


タイガ達はさらに不思議に思った。


「ここはインセクトワールドだからです」


ワンダーバードは自信満々に言った。


「直訳すると昆虫世界」


「その通り!ここでは小さくなることで昆虫の世界がどうなっているかと言うことを体験できます」


「すげー!虫の世界か!どうなってるか見てみたいな!」


タイガ達は張り切っていた。


だけどツバサは虫の世界を知りたいと言う気持ちは同じだけれど虫が少し苦手なので複雑な表情をしていた。


「やった、カブトムシだ!」


タイガは嬉しそうだった。


「あっ、トンボがいる」


「ほんとだ!」


「あっ、バッタもいる」


タイガ達はいろんな昆虫を見た。


その昆虫の中には交尾しているのもいた。


ヒロは少しニヤニヤとしていた。


ツバサはクスクスと笑っていた。


他のみんなは苦笑いしたり、見て見ぬ振りをしていた。


タイガ達はダンゴムシやアリをジッと見ていた。


「普段のダンゴムシは可愛いけど、こうしてみるとゴツくてけっこう怖そうな感じだな」


「アリも何か強そうだな」


タイガ達は小さくなることで普段は気づかない虫の魅力を実感した。



 それぞれの虫を形作ってる独特な形状、虫の動作と言った人間などの他の動物にはない魅力、虫のたくましさに魅入られていった。



タイガ達は虫にカッコ良さを見出した。



虫の世界に入り、虫の目線に立つことで見えなかった虫の魅力、虫の知られざる姿、虫にしかないカッコ良さ、虫にしかないミステリアスであらゆるものを引き込む独特な姿を学べると実感した。



 その人の世界を共有し、その人の目線に立つことでその人の内面、その人が持っている魅力、その人の見えない部分、その人が持っている良い所や悪い所、普段は気づかないその人の一面が分かり、その人は何なのかと言うことを実感できる。



その人の本当の姿はその人と同じ世界を共有し、その人と同じ目線に立たないと分からない。



人間と虫の間だけではなく、人間の間でも共通していると思う。










 










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