第48話 バーチャルアーミー(前編)

 その建物はいきなりビームを放った。


「危ない!」


タイガ達は間一髪でかわした。


さらにその建物からいろんなクリーチャーや飛行機が出てきた。


それらはタイガ達に襲い掛かった。


タイガ達はビームやバリアー(ブロックで作った)でどうにか対処した。


タイガ達は建物に向かって一斉攻撃しようとした。


すると、建物は怪物に姿を変えた。


それは五角形の輪郭、直角三角形の目、細長い腕、鋭い爪がある長い指があった。


タイガ達はその怪物を見て、ただならぬ違和感を覚えた。


なぜなら、その怪物には口がなかったからだ。


「あれはバーチャルアーミー。夢魔(ムーマ)のコンピューターがありとあらゆる記憶を元にして創った意思を持つバーチャル生命体だ」


すると、周りがこの世の終わりとしか思えないような光景に変わった。


「な、なに、これ!?」


「空が急に赤くなった」


「それにちょっと暗くなってない?」


「そういや、さっきに比べたらちょっと暗くなってるような感じがする」


バーチャルアーミーが攻撃を仕掛けた。


タイガ達はブロック塀を用いて高い場所からビーム攻撃したが、通用しなかった。


「あぁ、そうそう。あいつの体はコーティングされてるからビームは効かないよ」


「チッ、それを先に言えよ」


タイガはワンダーバードを睨みつけ、怒鳴った。


「よし、熱攻撃だ」


「タカヒロ、名案だな」


しかし、熱攻撃も効かなかった。


バーチャルアーミーはチッ、チッ、チッ、チッと指で合図をした。


「フン、ツマランナ」


バーチャルアーミーの攻撃を上手い具合にかわしながら、隠れて応戦しようとしたが、衝撃波で隠れてる場所がすぐに破壊されてしまい、攻撃どころか逃げる事さえままならなかった。


タイガ達はひたすら逃げたが、逃げた先にバーチャルアーミーの手によって強力な空間の歪みが生じ、ブラックホールのようなものが行く手を阻んだ。


「くそっ、どうすればいいんだ」


「フッ」


「チッ、笑ってやがる」


タイガ達は一瞬のスキをついて、どうにか逃げ、作戦を練った。


「接近戦だ。接近戦しかない」


「おい、落ち着け!至近距離で撃ったところであいつには何のダメージも与えられねぇ。接近戦を仕掛けたところでなんも変わらん。犬死にするだけだ」


「でも、どうしたら」


「今はどうやったらこの状況を脱する事ができるかを考えないとダメだ」


「だけどあいつに弱点とかあるの?」


「だから、それを考えるんだ」


「バーチャルアーミーはありとあらゆる記憶でできてるんでしょ?」


「おう」


「ってことは記憶と記憶をぶつけ合えばいいんじゃない?」


「記憶と記憶をぶつけ合う?どういうことだ?」


「僕らが頭の中にある記憶を大砲の玉とかにインプットしてあいつに向かって撃つんだ」


「なるほど、ワンチャンいけるかも」


「嘘の記憶もインプットしたほうがいいんじゃない?」


「よし、やってみるか」


タイガ達は上手い具合に回り込んでバーチャルアーミーを攻撃しようとした。


しかし、バーチャルアーミーは電撃を仕掛けたため、なかなか攻撃できなかった。


「ムダダ」


タイガ達は一瞬のスキをつき、捨て身で攻撃した。


すると、バーチャルアーミーは低いうめき声をあげた。


よく見ると、バーチャルアーミーから少し煙が出ていた。


「あいつ、若干、ダメージを受けたぞ!」


「よっしゃゃゃゃゃ!」

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