第32話 闇(後編)

 タケシは無事に戻ってきた。



しかし、目の前には異形の存在がいた。



タイガはそいつに向かってレーザー銃を撃ったが、効かなかった。


「くそっ!これならどうだ!」


タイガは炎の剣を試してみたが、ダメだった。


「どんな悪も燃やし尽くす、この炎の剣が効かないなんて」


「どうやったら倒せるんだろう?」


「て言うよりこれはツメオの心の闇の部分が表れたものだからツメオ自身でどうにかするしかないんじゃない?」


ヒロが提案した。


「これは僕とは別の存在じゃなくて、僕自身だから僕でどうにかするしかないってことか。でも、どう戦ったらいいんだろう?自分の心の善の部分を出して戦わせる的な感じなのかな?」


ツメオは頭を抱えて悩んでいた。


「それは違うと思う。あれはツメオの心の一部だから倒してしまうと自分自身を自分で傷つけてしまう事になるよ」


「うん、分かった。あの怪物と分かり合ってみるよ」


ツメオはツバサの助言を受け入れて、自分自身と向き合う事にした。


しかし、ダメだった。


異形の存在はより怒り、より狂ってしまった。


「さっきより、暴れてるじゃねえか」


「あれはツメオの心の闇。ってことはツメオの心の弱点が鍵となるかも(心の声)」


ツバサはニヤリと笑った。


「どうしたの?」


「良い考えがあるんだ」


ツバサは異形の存在に話しかけた。


「これ以上暴れるんだったら、ママに言っちゃうよ」


異形の存在は一瞬、動揺した。


「ママなんているわけねぇだろ」


「すぐそこにいるよ」


ツバサはツメオの母親を想像して、すぐそばに出した。


「いい加減にしなさい!」


すると、異形の存在は怯え出して、動けなくなってしまった。


「ハハハハハハハハ、おもしれぇ!」


タイガは爆笑した。


ツメオは苦笑いした。


「あっ、ツメオ。ごめんな。別に馬鹿にしたとかそう言うわけじゃないし、なんて言うか、まぁ、気にすんな」



 タイガ達は記憶の中の決闘の地に行った。


そこには1匹の蛇が苦しそうにもがいていた。


タイガ達が喧嘩を止めに入ろうとすると、虎が威嚇し出し、中々近寄れなかった。


「くそっ、ここでも銃はダメか」



もたついていると、1匹の蛇がタイガに襲いかかった。


タイガの目の前に突然、暗闇が現れた。


その暗闇は急激に大きくなっていった。


タイガはその蛇の口の中へ吸い込まれてしまった。


「な、なんだ?」


「あっ、タイガ!」


「ああああああ」


タイガは何が何だか訳が分からなかった。


タイガは暗闇をずっと進んで行った。


「この暗闇はどこまで続くんだ?ずっと続くのか?(心の声)」


タイガは暗闇を抜けるとある所に着いた。


そこは家の中だった。


「ここは家の中みたいだけど、俺んちじゃないな。誰の家なんだ?にしても薄暗いな。それにしてもすごく肌寒い、なんだこの妙な寒さは(心の声)」


すると、タイガは1人の少年を見つけた。


「あれ、あいつ?あっ、分かったぞ!(心の声)」


よく見るとその少年はスネークだった。


「ガキの頃のスネークの家ん中か、にしても何だ、この暗さはまるでお化けでもでそうだな(心の声)」


その空間には女の子もいた。


「あれ、あの女の子、誰だろう?(心の声)」


その女の子はスネークに抱き着いた。


その女の子は悲しく、寂しそうだった。


「心配するな。お前は価値ある命だ。どんなことがあっても俺が守る」


「あいつ、スネークの妹だったのか。スネークの妹にしてはけっこうかわいいじゃねえか(心の声)」


すると、どこからともなく怖そうな音が聞こえた。


「なんだこの音(心の声)」


スネークの母親だ。


そいつは暴れまわっていた。


妹はひどくおびえていた。


「妹を守るやつに悪いやつはいないのに、俺、やりすぎちゃったな(心の声)」


突然、イジワルお化けが現れ、タイガの方を見てニヤッと笑った。


こいつがどうなってもいいのかと言わんばかりにスネークにナイフを向けていた。


「なんでイジワルお化けがここにいるんだ?(心の声)」



気が付くとタイガは決闘の地に戻っていた。


イジワルお化けがスネークにとどめをさそうとしていた。


タイガは炎の剣でイジワルお化けを倒そうとするが、なかなか上手くいかない。


すると、マヌケなお化けが加勢にきた。


マヌケなお化けはイジワルお化けを羽交い絞めにした。


タイガはイジワルお化けを倒し、スネークを助けた。


「ありがとう」


スネークはタイガに鍵の破片を渡した。


「やったぜ」


タイガは破片と破片を合わせ、鍵を完成させた。












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