概要
走り屋の亡霊——そう怖れられた伝説の単車乗り「人間魚雷」は死んだのか?
1990年代初頭、深夜の峠道を震撼させた伝説のカミカゼライダー「人間魚雷」。一時メディアにも取り上げられたが、しかしその時にはすでに姿を消し、遠く過去の存在となっていた。多くの謎に包まれ、その謎が様々な風聞と伝説とを生んだ「人間魚雷」、この史上最も有名となった「峠の走り屋」の、その、あまりに意外な素顔をここに暴く。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!虚無と偶像は紙一重なのかもしれない
人間魚雷とは、とんでもない腕前を持ったライダーのことです。驚異的な腕前で二輪車を乗りこなしつつも、あまりにも危ない方法も活用するため、恐れられていた人物です。
そんな魅力的でありながら危うい人物の追想を、著者の過去の記憶、人間魚雷本人の日記、近辺の人物への取材などから浮き上がらせていくのが、この物語の目的です。
物語の冒頭こそ現代ですが、話の中心である人間魚雷が活躍していた時代は、暴走族なんかが話題になっていた時代なので、そのころの空気を感じ取れるのかもしれません。ちょっとルポルタージュみたいな雰囲気もありますね。
ネタバレにならないように、人間魚雷というキャラクターに焦点を当…続きを読む