親の手伝いで喫茶店の店長代理をする大城普吉。しかし店は全く流行っておらず、普通は客入りが良い時間でも閑古鳥が鳴いている。そんな彼に幼馴染である桃園瑞穂がある提案をする。お店をボードゲームカフェにしてみるのはどうかと。かくして始まるゲームカフェの物語。相変わらずお客は全然入らず、毎日店員と色んなゲームばかりしているがこれはこれで……。
そんな普吉と店員たちが毎回アナログゲームを繰り広げる本作品。主にメインで扱われるのは将棋。それもただの将棋ではなく『古将棋』という今ではめったに指されなくなった特殊な駒が多数登場する将棋だ。「獅子」や「酔象」、「火鬼」といった聞き慣れない駒が多数登場し、普通の将棋とは全く異なる戦略を見せてくれる。
他にもカードゲームが出てきたと思ったら、羽根つきや釣りなどのアウトドアな遊びも出て来るし、最近流行りのリアル脱出ゲームなんてのも登場する。
一話ごとにゲームに対する様々な薀蓄が紹介されるし、それといっしょに出てくるお菓子とお茶の美味しそうなことといったら!
一話完結で読みやすく色んなゲームについても詳しくなれるので、物語を楽しむだけではなく、知識欲を満たすという意味でもおすすめです!
(「アナログゲームの世界」4選/文=柿崎 憲)
将棋、チェス、囲碁、オセロ(リバーシ)、花札。それに各種ボードゲーム。
だいぶ前から、これらのゲームはコンシューマー、携帯ゲームでも遊べるようになっています。
今作はあえて雰囲気から楽しむように、盤や駒から高級品を使い、基礎知識がない方でも楽しめるような仕様に。
将棋喫茶という(形の上では)形態のため、お客はメニューにないものでもオーダー可。
主人公兼店長代理は某検察ドラマの「あるよ」ばりに多彩なメニューを提供します。
登場人物は主人公アユ太=大城普吉、桃園瑞穂、留学生のアリス=シャオメイ(小梅)。そして顧問の鹿谷七美。
舞台は基本的に将棋喫茶Flying Dog。
各ゲームの成り立ちから将棋、和歌。
それだけでなく料理などの造詣も深い今作。思わず押し入れから古いゲームを引っぱりだしたくなる一作です。
(……女子率、75%……(-_-).。o○0〇