史実解説 徐福
「徐福は史実及び伝承の人物よ。秦の始皇帝に仕えていたらしい。と、史実にはあるわね。中国を統一し、大陸の支配者になった始皇帝はもう一つの夢を追い求めた。それは不老不死。そして不老不死の妙薬を求めて各地に部下を派遣した。その一人が徐福よ。徐福は中国の東の海を渡り、蓬莱の国に辿り着いたというわ」
「あれ?でも中国の東には日本があるんじゃないのか?」
「そ。だから九州の佐賀県には徐福が渡ったとされる場所が存在するのよ」
*
ねヴぁっさ、ねヴぁっさ、ねヴぁっさ。
原始人がいた。
全身鎧を身に固め、鉄の槍を持った兵士の集団をレイピアで斬りまくるのはなろう小説でよくある事だ。
だが、そこにいるのは毛皮を着て、石の槍を持ってダンスする集団である。
その前に別の一群が現れ、原始人達に声をかけた。
そいつらは中国人っぽい服装であった。
「みろよおおお!!!原始人がいるぜえええ??」
「知能は低いんじゃないのか??」
げらげら笑いながら近づく中国人達。彼らに原始人たちは気づいた。原始人の女性は優しく微笑むと何かを差し出した。
「ここらでは見ない方ですね?遠くから来られたのですか?生肉でも食べますか?」
なんと!この原始人達は眼の前にあんな大きな篝火あるというのに肉を焼くという事を知らないのだっ!!!
「こんなもの食えるかっ!!!」
中国人は原始人の女性を蹴り飛ばした。
「ああ!大切な生肉がっ!!」
「何かあったのか?」
「徐福様。原始人がいたんですよ」
「原始人だと?」
この徐福は他の中国人達と違って理性的な対応であった。
「なんてこと。こんなに泥で汚れてしまってはもう生肉が食べられない・・・」
「娘さん。安心なさい。そこに川があるでしょう?」
「ええ。川がありますが、それがなにか?」
「その生肉を川の水で洗うのです」
「洗う?生肉を洗うですって!!」
「なんて発想だっ!!!生肉を川の水で洗うだなんて!!!」
「そんなことは俺達考えた事もなかった!!!」
ちゃばちゃば。
「生肉が綺麗になりました!!!これで食べられます!!ありがとう徐福様!!!」
「御待ちなさい。その前にその生肉を火で焼くのです」
「何言ってるんだ。生肉を手に持って火の中に突っ込んだら火傷するじゃないか」
「生肉に木を突き刺せば火傷をする事はありません」
「なんだって!!生肉に木を突き刺して焼くだって!!!」
「そんな事俺達考えた事もなかった!!!」
なんだか酷いものを見せられている気がする。
「ところで、君達名前は?」
「名前?名前とはなんですか?」
「名前すらないのか。仕方ない。私が君達に名前をつけてあげよう。お前は火の傍に立っているから檜山。そっちは高い木の近くにいるから高木。川の近くにいるお前は川辺。そして」
徐福は最初に蹴り飛ばされた女性の手を取った。
「卑しい蛮族ではあるが、魅力的な女性。其方は卑弥呼と名乗るがよかろう」
*
「これは酷い・・・」
「ほぼ史実通りよ。受け止めなさい弥一」
外見情報:
中国人。のちに日本に帰化。
年齢2000歳くらい。秦の始皇帝の命令で日本に不老不死の薬を探しに来て、それを飲み、そのまま日本に住み着いたらしい。
世俗の権力争いとかが嫌で山で仙人暮らしをしていたそうだ。
黒髪の東洋人。背丈は高く、また年齢の割には体格はよい。まぁ一応不老不死だからね。服装は時代に合わせ洋物のコートと眼鏡という格好である。
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