第24話 朝鮮出兵帰還後の政宗
「喜連川国朝が病死したのち、喜連川家は所領を秀吉に没収され三千石となった。そして氏姫は嫡男の義親を育てつつ畑仕事に精を出していた」
「何もかも秀吉の思惑通りか。世の中糞だな」
*
伊達政宗は白装束で身を包み大阪城に入った。敗軍の将として秀吉に詫び、その場で腹を切る為である。
「お久しぶりでございます。太閤様」
「おーおー久しぶりじゃのうー。えっと政宗、じゃったか?ゆくりしてけや」
ほぎゃあほぎゃあ。
「此度は朝鮮での敗北の責。すべてこの政宗にあると」
「あーそんなもんどうでもいいわ」
ほぎゃあほぎゃあ
「どうでもいい?」
「ほれ。これが秀頼じゃ。儂の子じゃぞ?淀が産んだのじゃ。豊臣の跡取りじゃぞ。そうじゃめでたいからソチに何か褒美でもくれたい気分じゃな。何か欲しい物でもあるか?城か?土地か?それとも女か?」
「・・・いえ。今日は御挨拶に伺っただけですので」
「あーそうそうなんか小早川が海を越えて兵を出したいとか言っておったのう。お前さんかせんか?」
「急ぎの用がありますゆえ。これにて失礼します」
「ふーん、ほれほれ儂は爺じゃのうて父上じゃぞ~~」
ほぎゃあほぎゃあ
赤ん坊をあやす秀吉に背を向ける政宗に、腹を切るという覚悟は消えていた。
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