第25話 関ヶ原の戦乙女

 そして西暦1600年9月15日。関ヶ原の戦いが起こる。徳川家康率いる東軍と豊臣秀吉、は1598年に病死している為、西軍の大将は石田三成である。


「殿、妖しい者達をひっ捕らえました」


 一人の女武者が二人の珍妙な衣裳をした、といってもこの時代の人間の感覚からしての珍妙なのだが、男を脇に抱えて家康の前まで引きずってきた。


「なんじゃこいつらは?」


「あーどうも。僕らは怪しいもんじゃありませ」


「充分怪しいぞ!」


「それにしてもお久しぶりですねお六さん」


「私はお勝だ!六は部屋子!豊臣方の密偵かもしれませぬ。家康様今すぐ首を」


「あー。六さんそっくりだわこの人」


「お待ちください!」


 今まさに弥一達の首がはねられようとした時、その場に現れた人物。それは。


「あ、政宗さん」


「その者たちはかってその方が世話になった者です。大変信頼のおける者です」


「うーす。久しぶりだな」


「ふむ。政宗の友人か。だが豊臣の間者という線も捨てきれぬぞ?」


 そういう家康に対し、徐福は。


「じゃあ南西の松尾山に豊臣方の兵が布陣しているから一つ鉄砲でも撃ち込んでみたら如何です?」


「ほうほう?まぁそこには味方はおらんからな。試しに撃ち込んでみるか」


 家康率いる東軍は関ケ原南西の松尾山に鉄砲を撃ち込んだ。すると山林から現れた軍勢が雪崩のように西軍豊臣本陣に襲い掛かる。


「おい徐福!なんか山の中からいきなり兵隊が出てきたぞ!あれはなんだ?」


「旗からして小早川秀秋の軍勢だな。さて、家康公。仕掛けるなら今が好機と思われますが」


「ふむ確かに。皆に伝えよ。全軍総攻撃!!」


 西軍小早川秀秋の突如の裏切りにより、側面を突かれる格好となった豊臣勢は戦列を崩壊させ、敗走した。

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