史実解説 伊達政宗
「はい。今回は戦国時代の人気者。世界的に有名な伊達政宗さんです」
「マジ世界的なの?」
「なんか色んなアニメやゲームに出てるんで日本の戦国武将じゃ一番人気らしいわね」
「じゃあ解説頼むわ」
「政宗は1567年9月5日。伊達氏の17代当主として産まれます。所謂王子様ね。しかし幼少期に患った天然痘が原因で右目を失明するわ。のだけれど」
「けれど?」
「実は彼の故郷の仙台には政宗の頭蓋骨。というのが残されていて」
「物凄い聖遺物だな。それ使えば999パーセント政宗召喚できるやろが」
「それを大学病院でCTスキャンした結果、右目の眼帯部分の下には『正常な眼球の窪み』があったそうよ」
「どういうことだ?」
「解剖学者による現代医学見地からすると政宗さんの失明は熱病による皮膚変形が原因。まぶたが下の皮膚に張り付いて開かなくなったのが原因。これは凄く重要な情報ね」
「どこら辺が重要なんだ?」
「つまり戦国時代にタイムスリップした女医がいて、その女性が皮膚科、眼科医の技術を持っていれば政宗さんの目を治すことが可能で、彼のハートをゲッチュできるわ!!」
「なるほど。確かに重要な情報だ」
「じゃあ引き続き簡単な略歴。初陣は15歳の時。この時一人では戦わず、親戚の蘆名盛隆に援軍を要請しているわね。この辺りに才能の片鱗が見えているわね」
「援軍を要請するのがどこが才能なんだ?」
「敵と自分の戦力差を正確に把握し、勝てない無謀な戦いをしない。つまり頭がよい人間だったって事よ。18歳の時に家督を相続。その後も鬼庭左月斎というお爺ちゃんが政宗を逃がす為に3万の大軍勢を相手に『ところで政宗様。時間を稼ぐのは構いませぬが、別に全部倒してしまっても構いませぬのでしょう?』という戦いをしていたとりとまさに主人公的な話が続くわね」
「本当にそういう事する人いたんだ」
「秀吉の小田原攻めの際には父の代からの同盟関係を考慮し、参戦を拒否。そのせいで領地の一部を没収。代わりに朝鮮出兵には参加しているわ。ただ、本陣からどうもあまり動かなかったようね。かなり早い段階で朝鮮及び中国の軍隊と戦っても意味がないってわかってたみたい」
「まぁ陸続きで援軍送られてくるのにこっちは食料も兵隊も船頼みだしなぁ。元寇の時は条件が逆だ。勝てるわけがない」
「関が原以降は徳川方の武将の一人として積極的な活躍をしているわね。大阪城のそ外堀を埋める作業をしたり真田丸にイの一番に切り込んで真田幸村と斬り合ったり。ただ、手柄を焦るあまり先頭だって突っ込みまくるもんだから常に相手のHPが百パーセントある状態で戦っちゃって、そのせいでたいした戦果は挙げられなかったみたいね。幸村と戦った時も見事に追い返されてるわ」
「あ、史実だと負けてるんだ」
「最終回的に(史実の)幸村本人は大阪城は大阪城が落城した後、松平家の武将、西尾宗次と正々堂々一騎打ちの末、討ち取られたとされているわね」
「幸村は大阪城で死んじゃうのか。ちょっと悲しいなあ」
「あ。息子の真田守信ってのが伊達家に戦後仕えてるわね。そして政宗は関が原、大阪城の戦いを無事生き延び、徳川の家臣として62石の所領を持つ大名として、徳川と共に三百年の天下泰平の時代を過ごすことになるのよ」
外見情報:
二十代~三十代頃の戦国の世を駆け抜けていた年齢で召喚される。
蒼穹に輝く鎧を身にまとい、三日月の兜をかぶっている。
右目は幼少時の天然痘の後遺症により、眼帯をしている。
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