FGO始動
「弥一。この映像を見てほしい」
徐福はネバンゲリオン風スクリーンモニターを表示する。
「戦国時代も終わりの頃、現在の愛知県の山村に一人の農民がいた」
『日本中でイクサが続いてんけど、農民のオラには関係ねぇべさ』
「男は貧しいながらも幸せに暮らしていた」
『ん?畑の中になんか光るものがあるべ?』
「男が土を掘って見るとそこにあったのは」
『なんか位牌みてぇのが埋まっとるべ』
「それは異世界よりもたらせた邪悪な力を秘めた、スマートフォンだったのだ!!」
「おいこらマテや。邪悪なスマートフォンってなんだ」
弥一は思わず突っ込みを入れた。
『フフフフ。そこの男よ。我を手にするのだ・・・』
『板ベッコが喋ってるだ。不思議な事もあるだんべな~~~』
「農民はスマートフォンを握ってしまった。すると」
『う、ぐあああああああ!!!!!』
たちまち農民はドス黒いオーラに包まれ始める。
『ぬふううう・・・・。なんだか急に天下取りがしたくなっちまただよ・・・。このスマートフォンを持っているだけで何もしなくても俺様は天下人に、日本の支配者に、いや。世界の支配者になれる・・・・。いやなるのだ!!』
スマートフォン片手になんだか凶悪な面構えになる農民。
「なんと!!平凡な農民だった木下藤吉郎は邪悪な力を持つスマートフォンに肉体を支配され、混沌の化身破滅の魔王豊臣秀吉へと変貌してしまったのだ!!!」
「なんかスマートフォンが呪いのアイテムみたくなっているんですけどおおお!!!」
「何を言っているんだ弥一。スマートフォンというのは絶大な魔力を秘めた万能の願望器なんだぞ。その力は原子力発電所数十機分にも匹敵する。中国北京市の人口二千万人だとしてその半分がスマートフォンを持っていればそのエネルギーで中国全土を消滅させることも可能となるのだ」
「いやその理屈はおかしい」
「徐福君。そういう態度はよくないな」
「モリアーティ教授?」
「弥一君はズブの素人なのだ。魔術の経験のない一般人なのだ。それを我々がサポートする。という本旨を忘却してもらっては本末転倒というものだよ」
「言われてみれば確かに。そうだな。すまない悪かった。許してくれ弥一。君が魔術の基礎理論がある事前提で何もかもを話している俺が愚かだった」
ジャパニーズ★DOGEZAをする徐福。
「あ、そこまでせんでもらわんでもいいっす」
「そうか。愚かな俺を許してくれるのか。寛大な君に感謝する」
「では弥一君に説明を続けたまえ徐福君」
「了解です教授。弥一。君に依頼するのはこのスマートフォンの回収だ」
「いや。そのスマートフォン握ったら暗黒面に落ちちゃうんでしょ?」
「心配ははいらない。我々英雄ですら闇に引きずり込む力を持つスマートフォンだが、現代人である君はこの力を制御できる。そして浄化する事が可能だ。浄化したスマートフォンの力を与える事で我々英雄を強化する事が可能となる」
「英雄を強化・・・?俺に秘められた、そんな力が・・・!!」
弥一は感激した。まさか一介の高校生に過ぎない、なんの取柄もない。スキルも奥義もない。魔法も使えない自分にそんな力が秘められていようとは。
「それ、ただのレベル上限凸アイテムよ。シナリオクリアする事に一個手に入るわ。低レアゴミ英雄なら10レベル。並なら5。上位なら2レベル最大値が増加するわ。最大値100ね」
眼鏡女はアイドルとシャンシャンするゲームを続けながら説明した。
弥一は落胆した。
「どうかしたか?」
「いや・・・なんでもねぇよ」
「お前の使命はわかったな弥一?ならばいよいよFGOを開始する!
なおFGOとは
FINAL(失敗したら人類滅亡なので)
GREAT
OPERATION
の略だ!!」
「徐福。お前今日本に住んでるけど元々中国人だよな?」
「それがどうかしたのか弥一?」
「いや・・・。ネーミングセンスが中国人らしいと思ってな・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます