第5話 スマートフォンは現実世界と共に
そういうわけでようやく現在に至る。
「弥一君。君が持っているスマートフォン。厳密には君がスマートフォンにインストールしたアプリは単なる暇つぶし用のビデオゲームではない」
モリアーティ教授は言った。
「それは徐福君と私が共同開発した人類の救世主選別プログラムと、もう一つ別の重大な目的を兼ねたアプリなのだ」
「人類救世主選別プログラム?!それは一体!!?」
徐福が質問する。
「例えばだ弥一」
筋力
敏捷
耐久
魔力
幸運
「こんなふうにステータス表記があったとする。お前ならどれが重要だと思う?」
「敏捷・・・。いや!魔力だな!!」
「幸運だ」
徐福は断言した。
「はっ?」
「幸運一択だ。幸運の無い奴はいきなり自害したり、一般人の社会科教師に首をへし折られて死んだり、戦闘が始まる前に死んだり、人質を取られて録に抵抗も出来ずに倒されたり、敵になったあげくパワーアップして味方に襲い掛かってくるのだ。よって幸運一択だ」
「え?なんすかそれ?」
「お前がインストールしたアプリソフト。『ワールドヒーローズオペレーション』において、ガチャを引いた場合、星5英雄が出現する確率は1パーセント。星5キャラは複数存在する為、実際の排出確率は0.013・・・まぁ計算がめんどいから0.01にしておくぞ。お前はそれを五連続で引いた。最初の一回の十連の、無料ガチャで、だ。つまり0.01×0.01×0.01×0.01×0.01×で
0.0000000001」
「なんかネバンゲリオンの起動確率みたいな数字がでてきなおい」
「そしてもう一つの目的だが」
「もう一つの目的。それは?」
「資金稼ぎだ。『ワールドヒーローズオペレーション』は世界的売上のスマートフォン向けゲームなんでな。その売上でタイムシフト装置。ようは時間移動を行うタイムマシンの開発とそれを使う為の電気代を工面することにした」
「電気代・・って」
「俺は『ワールドヒーローズオペレーション』の売り上げで下らんリアルイベントだの売れないボードゲームだの全国のゲームセンターを潰しまくってしまうアーケードゲームだのゴルフ場だのは造らない。売上金はすべて全人類の未来を守るために使う。不満か?」
「いえ。ナンモネェス・・・」
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