第7話 公募について考える

 この度、第7回つばさ文庫小説賞の一次選考で全滅いたしました。

 今回は三作の応募で万全の体制を取ったつもりです。

 どれか一つでも引っかかればいいや的な考えは一切なく、三作が三作とも大賞を狙って執筆しました。それで、この結果です。


 ショックでした。

 これがカクヨムで活動する前だったら、筆を折っていたに違いありません。

 今はとても嬉しい言葉をかけてくれる方々がいます。私の筆は、象が踏んでも折れません。



 選考通過出来ないのには、必ず理由がある。そんな話をよく聞きますが、さて私の作品は何が悪かったのでしょうか?


 私は文章にコンプレックスを持っています。

 フォロワーの方々の作品を読むと、いつも自分の文章力のなさにガッカリします。

 文章力、表現力――小説を書くにあたってついてまわる必須項目です。

 ただし、私も何作か書き上げて成長しています。何年か前の作品は、ホント読めません。他の書き手様よりも表現が稚拙である事はわかりますが、読めないような作品ではないと思います。

 もちろん、さらに精進する必要があるとは思いますが。


 今回のポイントはそこではありません。

 レーベルカラーについてです。


 どんなに素晴らしい作品でも、つばさ文庫に純文学を送った所で選考通過はしません。自分の作品がレーベルカラーに沿っていなかった可能性は?

 なぜこんな事を考えたのかと言うと、今回の参加作品を選考発表前に何作か読んだ事が発端です。


 絶賛した作品、もっと面白くなるのになぁと思った作品、読めたのに評価するに至らなかった作品、読めなかった作品などなど。

 私が絶賛した作品は落選しました。しかし、評価するに至らなかった作品や、読めさえもしなかった作品が通過しています。


 私の『面白い』はつばさ文庫に適していないのだろうか?

 本気で考えました。


 つばさ文庫小説賞〆切以前(まだカクヨムに参加したばかりで右も左もかわらなかった頃)からのフォロワー様に七海まち様という方がいます。

 彼女は元々純文学の方で、何作か選考通過を経験した上に、最終選考一歩前までいった事がある素晴らしい筆致の方です。今回のつばさ文庫小説賞でも選考通過されています。

 七海様のような方でも、落選する度に落ち込み、悩み、考えてきたそうです。


 自分の作品をレーベルカラーに合わせるのか?

 自分のカラーを認めさせるのか?


 私の目指す先はもちろん作家です――が、代りがきくような作家は目指していません。出版された作品の中でさえ、誰が書いてもいいのではないか的な作品があると思いますが、そこへ行きつきたい訳ではありません。

 他の誰かではない私が書くからこそ面白く、かつ私らしいキャラクターが縦横無尽に活躍するような作品を書きたいんです。

 私の『面白い』が評価されないからと言って、面白くない作品なんて書けません。例えそれで選考通過するのだとしても。


 目指すは後者。


 私の作品を面白いと言ってくれた方、応援してくれている方がいます。

 成長こそすれ、私は今のスタイルを変える気は毛頭ありません。

 自分の『面白い』で、有無を言わせない作品が書けるよう努力するだけです。


「えーきちの書く作品は面白い」

 そう思ってもらえてこそ、書いたかいがあるというものですから。



 フォロワー様方々、この話を読んでくださった方々、これからも私の『面白い』にお付き合いください。

 いつかそれが、皆様の『面白い』になる事を目指して。

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