第19話 なんの為?

 寒いー、寒いー、寒いー、さッ、むッ、いッ!

 皆さま、生きていますか?

 私――えーきちは生きてます! 大丈夫です! 辛うじて。

 毎年この時期になると冬眠したいなぁなんて思います。

 知っていましたか? 冬眠って眠っているんじゃあないんですよ? 基本、眠っているのはと言います。

 冬眠は仮死状態の事を言うんですねー。死んでるんです。(や、死んでないって)

 じゃあ、熊はって? 熊はずっと『冬ごもり』って言われてきたんですけど、熊型冬眠というヤツらしいです。紛らわしいですね。

 はぁ、人間にも冬眠があればいいのに。

『布団の中から出たくない by 打首獄門同好会』を聴いて癒されましょう。



   *    *    *


 さて皆さま、ますか?(そんな言葉はない)

 私は読む方でます!

 書いてはいるんですけどね。思うように書けなくて。さらに浮き沈みも激しくて。一向に文字数が増えません。で、多分、方向転換する事になると思います。

 つばさ文庫小説賞に落ちました。

 結果を知って、その瞬間は目の前が真っ暗になって、イヤな汗が流れてきました。寒いのにです。自信があっただけに、ショックも大きい。

 まぁ、あの程度でとは言わないでくださいな。誰だって、大賞目指して公募に出しているんですから。かくいう私も、ね。

 それによって色々とわかった事があるのですが、それはまたそれ。


 皆さまに読んで貰って、面白かったと言って貰えて、一次選考(下読みさん)突破して、二次選考(編集部)にと言われてしまったようで、落ち込みました。

 なんの為に書いているんだろう? なんて、久しぶりに思いました。

 皆さまは、なんの為に書いていますか?

 十人いれば十通りの意見があると思います。


 お金の為――ええ、商業作家になればお金が入ってきますね。


 好きだから――ええ、そりゃあ書きますね。好きですから。


 自分の作品を読んで欲しい――みんなそうですよね。


 ただ書きたい――そういう人もいるでしょう。


 色々な意見があっていいと思います。中には優越感に浸りたいなんて人もいるかもしれませんが、それでもかまいません。間違ってなんていません。法に触れさえしなければ。

 私も、自分が書いた作品を沢山の人に読んで貰いたいとか、商業作家になれば少しは生活が楽になるかなぁとか、そんな事を思っていました。

 一年半前はカクヨムに登録もしていなくて、読むのは奥さんだけ。

 何度も公募に落ちて、自分の書いているものが面白いのかどうかもわからないなんて、孤独な生活をしていましたから。


 今は、どうなんでしょうね?

 奥さん以外の人にも読んで貰えます。(注:これは、カクヨム内での交流が必要です。詳しくは第18話をごらんください)

 商業作家も目指しています。まだまだ、思うようにはいかないですけど。

 お金――は、確かに入ってくればいいなぁくらいは思ってます。

 有名になりたい――そう、有名になりたいのかなぁ、なんて。

 これは、という意味ではありません。


 力が欲しい。

 前話のジャバウォックの台詞のパク――オマージュじゃあないですけど、力が欲しいです。

 ちょっと回りくどい話しになりますけど、お金って必要ですよね? いらないなんて人はいませんよね?

 お金がすべてって訳じゃあないですけど、お金がないとなにもできません。お金で愛は買えないって言いますけど、お金がなければ愛だって守れません。

 大切な人の病気を治すのに必要なのは、愛じゃなくてお金ですから。

 綺麗事なんていりません。

 力だって、ないと救えない事だってあります。ないより、ある方がいいに決まっています。

 それは、肉体的な力とは限りません。

 発言力っていうんですかね。言葉の重みが違うんですよ。有名になると。

 別にマウントを取りたいとかそう言った話ではなくて、自分が推した作品が埋もれてしまうのが忍びなくって。

 自分の作品が面白いのは自分が一番わかっています。書いているのは自分ですから。自分が一番面白いように書いていますから。じゃあ、他の作家様の作品は?


 カクヨムコンって、完結作は埋もれる傾向にありますよね?

 これ、なんでですか? 考えたのですが、どうも答えが出ないのです。

 完結している作品の方が、面白かったかどうかわかると思いませんか? 連載中の作品は、この先面白いままかどうかわからないですよね?(私も何作か追って応援していますけど評価はつけていません)

 最後の最後で「なに、これ?」的な終わり方をするかもしれないんですよ? 最高のエンディングを迎えるって保証はあります?

 こう、某漫画のように全巻発売日に買っていたのに、最終話を読んだら売りたくなった、なんて事になるかもしれないんですよ?

 なのに、大多数の方は連載の方ばかりに目を向けています。

 誰かその理由を教えて頂けると嬉しいのですが……


 今回、カクコン参加作品で完結作を読んで☆を十個つけさせていただきました。(十個はつけれないって)


 枕草子を今歌え/増黒 豊様

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888424526


 自分らしくない作品と増黒様ご本人がおっしゃっていますが、面白かったです。綺麗じゃあない感じが。でも、やっぱり爽快感があるから、アオハルなのかなぁ?

 主人公がめっちゃ不器用な子ですからね。

 文章のセンスが秀逸です。

 枕草子とライムですよ? ライムってミカン科ミカン亜科ミカン連(カンキツ連)のミカン属など数属の総称じゃあないですよ?

 押韻です。フリースタイルバトルです。ラップです。

 これって、さぁ書こうと思っても書けません。絶対に書けません。そのセンスがないといくら考えてもチープなライムにしかなりません。

 迷わず読めよ 読めばわかるさ バカヤロー!!(最近、猪木づいているな)

 誰かが死んだりしません。別れも……まぁ、ないと言っていいでしょう。

 なのに、私は泣いた。

 最終話『ラストライム』の、二千三百文字にものぼるラストライムに。


 こういった最高のエンディングを演出した作品に評価がついて欲しい。

 その発信を、力のない私がしても悲しいかな響かないんですよ。底辺作家の戯言でしかないんですよ。

 ああ、力が欲しい。

 発信力が欲しい。

 別に誰かの為だなんて高尚な事は考えていません。そんな綺麗な心は持ち合わせておりません。自分の好きな作品が高評価を受けて欲しいっていう、ただの欲望です。

 でも、好きな話を書いて、好きな話を読んで、どちらも世間に広めたくて、って考えてしまうのです。



   *    *    *


 今、書いている話をカクコンの朝読賞に投げようと思っていましたが、どうやら完璧にするのは無理そうです。完璧にしないまま投げてもしょうがないですし、ちょっと落ち着いて考えようかなぁ、と。

 なんの為に書いているのか、なにを書きたいのかまで含めて。


 確かに時間はありません。私は意外とおっさんです。結構なおっさんです。おかしな格好はしていますしトンチンカンな事を考えていますが立派なおっさんです。若い方よりも残された書く時間は少ないのです。

 でも、焦って中途半端な作品を書きたくありませんし、次のつばさ文庫の作品も考えないといけません。私は諦めが悪いんです。

 フォローしてくださっている方は、大変申し訳ありませんが長い目で見守って頂けると幸いです。

 このエッセイと、たまに短編くらいは投げられるようにはしますので。

 次の長編も、必ず面白いものにしてみせます!


 ああ、冬眠なんてしていられないね。

 布団から出て、寒い世界に立ち向かわなくちゃ。

 肩ひじ張ってもいい結果は生まれないから。

 気張らず、肩の力を抜いて、次のつばさ文庫は……




 大賞だ!(オイッ!

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