第36話 下読みさんのお仕事

 カクコン結果発表ありましたね。

『第34話 目的地はどこなのか?』で紹介させていただいた作品が、なんと異世界部門の大賞を受賞されました。

 新巻へもん様、おめでとうございますー!

 やー、嬉しいですね、お付き合いのある作家様が受賞されるのは。

 面白かったですからね。とにかくキャラにブレがなくて展開も早い。グイグイ読めてしまう。

 私はハッキリ言って、異世界ものが苦手です。

 世界に入り込めないと、あっという間に読むのをやめてしまいます。

 しかし、へもん様の作品は少しもそんな事がなかったですね。

 変に複雑な世界観じゃなかったのがいいのかもしれません。

 あと、異世界に転生&転移してハーレムでチートで俺TUEEEで追放でもう遅い話じゃなかったのもよかったです。

 それに飽き飽きした読者がまず飛びついた。そして、下地がしっかりした物語だった。

 受賞するべくして受賞した作品だったのではないかなぁと思います。

 この先、書籍化に向けて動きがあると思いますが、カクヨム版も読んでみてはいかがでしょうか?

 私はカクコン終了間際に読み始めたのですが、三日で当時二十四万文字を読んじゃいましたよ。


『酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う』新巻へもん様

https://kakuyomu.jp/works/1177354054918377471


 他にも筆致企画のお仲間であるゆうすけ様や宇部松清様も短編で入賞されていました。皆さま力ある作家様でうらやましいです。



 *    *    *


 さてさて、今回は公募のお話をします。

 私自身、公募勢と言いながらも精々一次通過しかしていません。

 WEBで探しても書籍を見ても、小説の書き方(公募に出すには何を気をつけるかや、どういった展開、プロットが好まれるかなどなど)は、たくさんの情報があります。時には相反するような事が書かれていたりして、結局どっちがいいねんっ!となる人も多いのではないでしょうか?

 そもそもそういった指南書は、守れば必ず受賞する、というものではありません。

 それで受賞できるのなら、みんな受賞してますって。

 作家さん自身の書き方や作風に合わせて、一番自分に適していると思われる書き方をするしかありません。

 それで、選考通過できるのかどうかは神(下読みさん)のみぞ知る、ってところでしょうか?


 最近の児童向け文庫の小説賞では、下読みさんがいない小説賞もあります。

 大体が応募総数が五百未満ですからね。カクコンや某電撃文庫のように、応募総数何千とかになると、どうしても下読みさんが大活躍する訳です。

 下読みさんは作家関係者、出版関係者、と言われていますが、実際のところ私にはわかりません。

 下読みをやっていますと名乗っている方もいますが、大抵は真っ黒な闇の中です。

 そして、一次選考はひとりの下読みさんが何十何百という作品を読むことになります。

 こういったリアルな情報はなかなか上がってくる事がありません。が、Twitterだと稀にそんなつぶやきがあるので学ぶところも多いと思います。

 ただTwitterで遊んでいる訳じゃないんですよ。それで書くことが疎かになっては本末転倒ですが、かなり有益な情報が転がっています。

 別につぶやく必要もレスバする必要もありませんが、Twitterをやれる環境があるのなら、やらないのはもったいないかなという気もします。

 くれぐれも、自作を書くことが前提ですが。


 五月の頭くらいだったでしょうか。架空の下読みの感想をつぶやき続けるという方がいらっしゃいました。

 私は即フォローしたのですが、やはりそのつぶやきが悪しき方向に刺さった方の突撃を受けたとか受けなかったとかで、鍵アカにされてしまいました。

 フリーで流れる情報としてはかなり面白いつぶやきなんですけどね。

 架空の下読みさんが、架空の小説賞の下読みをしながら、一作一作どんな話でどうだったのかつぶやく訳です。(本当に架空かどうかはご自身の判断で)

 そのなんでもないつぶやきの中には、公募のヒントになるようなつぶやきもいっぱいありました。

 下読みさんはひとりで何十何百という作品を抱えていますので、一字一句丁寧に読んでいるのかどうかはわかりませんが、そのつぶやきを見る限り、世界観から展開まで、すべての作品をしっかり読んでいる印象を受けました。

 レギュレーション違反は読まれないとかはあると思いますが、つまらないから読まないということはないように思えます。

 つまらない中にも、どんな話でどんな展開でどんなラストだったのか。これが必要になってきますからね。

 以前から何度も書いていますが、公募は相対評価です。

 読めるけど面白くない作品も、選考を通過したりします。

 他の公募作品と比べて上だからという理由で。

 その通過させた作品の内、半分は次の選考で落ちるだろうなと思っても、受け持った作品数が多いと通過させるそうです。

 こういったつぶやきはリアルで面白いですね。

 とにもかくにも、下読みさんが面白いって思えるような作品を書かなきゃですね。


 ちなみによく、下読みさんってひとりでしょ?とか、好みがあるんじゃないの?とか、何人もに読んでもらえれば通過できるのにとか思っている方がいると思います。

 わたしもその口です。

 もちろん下読みさんも人間ですし好みもあるそうですが、他の下読みさんが読んでも大体結果は変わらないそうです。

 ただ前回書いたように、レーベルカラーの違いはあるので、一概に一次で落ちたからその作品は面白くなかったって訳じゃないでしょうけどね。

 あと、ひとりじゃなくて二十人で選考した場合、尖った作品を選びにくく、おまけに落ちた時のダメージは二十倍になるそうです。



 *    *    *


 今現在、公募作品を書いている訳ですが、以前より長編は公開しないと決めたため、カクヨムがあまり動いていません。

 筆致企画があれば参加します。皆勤賞ですので、よっぽどの事がない限り、書くと思います。

 楽しいんですよ、筆致企画って。

 完結作を書くのは勉強にもなるそうですし。

 現在開催中(今日が最終日)の筆致企画は『初夏色ブルーノート』です。

 たった五行のあらすじから、よく皆さま多彩な物語を生み出せるなぁと感心しております。

 私も参加しているので、よろしかったら読んでやってください。

 共感しにくい物語になっておりますが。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219973829828


 今年は最後まで何かと結果をまっている状態にしたいなと思いつつ、水面下で執筆に励みます。

 一応、アレに出して、アレに出して、アレに出して、来年のアレとアレに出すつもりなので予定はいっぱいです。

 カクコンも長編で参加したいのですが、書く余裕がまったくなさそう。

 それでは皆さま、また来月!

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