第37話 テッテレッテー♪(隠語)

 暑くなってきましたね。

 マスクが蒸れる季節到来ですね。

 まだまだコロナも収束していませんが、このマスクな暮らしはこの先も日常になっていくんだろうなぁ。なんて思っているえーきちです。

 皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

 梅雨入りが早かった割に、六月の雨は思いのほか少なくて、駅から3km自転車通勤の私としてはありがたい限りです。

 土砂降りの中、3km自転車はキツイですからね。

 炎天下の3km自転車もキツイんですけど。



 *    *    *


 さて、今回の話題は『テッテレッテー♪』です。

 なんじゃ、そりゃ? と思われた方、この言葉は私の友人界隈で実際に使用されていた隠語なのですが、『盗む』ことです。

 某ドロボウアニメのオープニングですね。

『テッテレッテー♪ テーレーレー♪』ということです。

 この『テッテレッテー♪』が小説になんの関係があるのかということですが、最近KADOKAWA系列のマンガ誌がやらかしましたね。

 盗作問題です。

 詳しい話は伏せておきますが、ネットでは話題になっているので調べると簡単に出てくると思います。

 簡単に言えば九作品ほどのキャラを模倣した上になろう系をディスったため、元作品のファンの怒りを買って、連載開始一話で打ち切りになったという話です。


 ハッキリ言って、当たり前です。

 その九作品は有名どころなのでなおさらでしょう。

 どういった経緯でこのマンガが書かれたのかはわかりませんが、確実に言えることは、編集部のGOが出たから本誌に掲載された、ということです。

 編集部もそうですが、編集さまも、どんな考えがあってGOを出したのかさっぱりわかりません。

 ちなみにその九作品の中には、KADOKAWA系列の異世界ものが六作品含まれています。


 ……同系列会社の作品を模倣しますか、普通?

 パロディなの?

 や、パロディでもマズいでしょ。


 と、これが普通の考えだと、私は思います。

 ここで問題になってくるのは模倣(盗作)は著作権侵害にあたるのか、ということです。

 実際の事例では、著作権侵害にあたる、もしくは盗作にあたると判断されることがなかなか難しいらしいです。

 キャラクターの名前、アイデア、テーマ、展開、このすべてを真似たとしても、実は盗作にはなりません。

 著作権で保護されるのは『具体的な表現』に限られているからです。

 では、なぜ今回のKADOKAWA系列のマンガ雑誌が問題になったのか。

 それは、模倣した九人のキャラの元作品のファンが激怒して炎上したからです。

 これがもし裁判になっていたとしたら、法律では問題なかったかもしれません。

 実際にそういった裁判は山のようにあります。


 ただ、出版社としては法律で問題がないから大丈夫、といった簡単な話では済みません。それは、どう考えても盗作だろ?と何人もが判断すれば、その出版社に悪しきレッテルが貼られてしまうからです。

 だいぶ前の話でも書きましたが、某小説賞の大賞作品が、別の小説賞で大賞を取った作品と酷似していたという話がありました。

 これは大賞取り消しになったのですが、編集部ですらそれを一度は大賞に選んでしまったということです。

 編集部も人間ですし、世の中著作物なんて星の数ほどあります。

 言うほどすべての本を読んでいる人間なんていません。

 盗作が編集部を通りすぎてしまうような稀な例もあり得るということです。

 いくら法律的に問題がないからと言って、そんな事実は出版社的にあってはならない。出版社のプライドにかけて。

 そんな作品は落とされて当然です。


 ただ、じゃあどこまでがいいのか?って話になりますが、完全にオリジナルの作品なんて私はないと思っています。

 多少の設定かぶりなんて気にする必要はないですし、物語が似てしまってもしょうがいのではないでしょうか?

 意図的に似せて書いたのでなければ。

 意図的かそうでないかの差なんて、第三者には判断のしようがないのですが。

 異世界ものを書かれている作家様でしたら、オークやゴブリンなんかが出てきますし、剣や魔法なんかも出てきます。

 そこまで盗作として扱い始めると、何も書けなくなってしまいますし、これはプロの作家様が言っていたのですが、完全なオリジナル作品は読まれない、そうです。

 異世界もので考えてみましょう。

 完全なオリジナル異世界。出てくる動物もオリジナル。モンスターもオリジナル。武器もオリジナル。言語もオリジナル。生活習慣もオリジナル。思想もオリジナル。

 と、書く方も大変ですが、読む方だって大変です。


 私も七不思議の話を以前書きました。

 今はカクヨムから下げてしまいましたが、実はあの作品は「パクリ」だと言われた作品です。

 経緯はこうです。

 ぴ~とるいじ様が私の作品の一話目を読んで「〇〇」に似てないか?というご意見を下さいました。

 私はその作品を知らなかったので調べたところ、話の根幹がまったく違ったので問題にはしませんでした。

 七不思議を題材にしている以上、多少の設定かぶりはありますしね。

 ぴ~とるいじ様も「ああ、それなら問題ないです」とわかっていただけました。

 その先です。

 どこをどう曲解したのかわかりませんが、私のその作品がつばさの一次を通過したのは設定をパクったからで、二次に落ちたのはパクったのがバレたからだという書き込みがありました。

 私としては寝耳に水です。意味不明です。

 ハッキリ言って、七不思議を題材にしている以外に共通点がない話で、設定をパクったと言われましても……

 こういった言いがかりをつけてくる方もいます。

 怖い世界です。

 一度変なレッテルを貼られてしまうと、そういう目で見られてしまいますからね。

 それを公の場に書き込むという行為は、ただの嫌がらせでしかありません。

 もし、そのような状況に陥ったら、すぐに運営に通報することをお勧めします。

 もちろん、自分で胸を張って「盗作じゃない」と言えることが前提ですけど。


 逆に盗作されたらどうしましょう?

 先に述べたように、作品のほとんどは保護されていません。盗作し放題です。

 アイデアをパクったって――今回タイトルで言うならテッテレッテされたって、問題ありません。

 しかし、それでは納得できませんよね?

 そういったプライドの欠片もない方も実は結構います。

 これも実は実際に私が体験したことなのですが、ちょっと詳しくは話しません。

 私の作品に酷似したプロットを公開した人がいた、という話です。

 こういった場合、近しい知り合いに確認してもらいましょう。

 私も数人に確認してもらって、似ていると判断をもらいました。ちょうど、私の作品が完結したすぐ後だったので。

 それだけで十分です。

 実際に罪に問えない、アイデアは保護されない、という経緯から、運営がそれを問題として見てくれるかどうかは不明です。が、味方がいれば心強いのではないかなと思います。

 

 最終的には作者の心の問題ですよね。

 法律的に大丈夫だからいい、と考えるような作家にだけはなりたくないものです。

 いくら公募で思うような結果がでなくても、ね。

 少なくとも物書きとしてのプライドはなくしたくないな。

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