第46話 面白いって、いったい何?

 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が全面解除になったのに、あまり明るいニュースが流れない今日この頃。

 皆さまいかがおすごしでしょうか? えーきちです。

 某国で始まった戦闘は終わりが見えず、攻め込んだ方は勝っても負けても明るい未来なんてないでしょうね。それなのになんで争いなんて始めたのか? 意味がわかりません。

 日本はずっと賃金が増えていかないのに物価ばかり上がっていって、毎年毎年生活が苦しくなっていきます。

 仕事はコロナウイルスで減ったまま、まだお客は戻ってきません。

 公募は落ちるし。(私事)

 太るし。(私事)

 ため息しか出てきません。



 *    *    *


 さて、今回はタイトルに切実な想いをのせてみました。

 面白いって、何でしょう?

 よくわかりません。

 ならば、つまらないって何でしょう?

 実はこれもよくわかりません。

 ここ最近、話題になっている二作のマンガの話になります。どちらも面白いと巷で有名な作品です。

 まずは『タコピーの原罪』です。

 どんな話なのかは詳しく説明しませんが、簡単に言うとダークなドラえもんと言うか、ライトなおやすみプンプンと言うか、そんな感じです。

 私は面白く読みましたが、結局何が面白いのかわからないと言う人も多かったです。言うほど面白くなかったとか。

 しかし、WEBで公開していた最終話は一日で600万PVついたそうですよ。一日で。それだけの人が最終話を読んだんですね。

 じゃあ、やっぱり『タコピーの原罪』は面白かったのか?

 それともつまらなかったのか?

 この答えを出す前に、次のマンガの話をしましょう。


 次のマンガはもっと有名なマンガ、『ONE PIECE』です。

 もちろん読んでいない方や、コミック派の人の為に詳しい話はしません。が、今週の週刊少年ジャンプで大きな局面に到達しました。

 それはもう『ONE PIECE』くらいのマンガになると予測厨が山のようにいて、今後の展開を予測しまくっているワケです。

 5chやらYouTubeやら、そういったサイトまであるのですが、その方々が歓喜するであろう展開になったんです。

 で、今週のジャンプは神回だと言う人たちが続出。その裏で、「そんなの伏線でもなければただのこじつけだ」と文句を言う人たちも続出。

 では、今週の『ONE PIECE』は面白かったのか?

 それともつまらなかったのか?


 様々な方面からこの事実について考えていくと、ひとつの結論が導き出されるワケです。

 面白いって、いったい何なのか?

 つまならいって、いったい何なのか?

 それは、その作品が面白いのかどうかは読んだ人の感想でしかないって事です。

 カクヨムも、商業出版された本も、公募も、全部読んだ人の感想です。

 商業出版された作品でも、誰だって個人的好き嫌いはあります。

 こんなのにお金を取るの? なんて思えるマンガも小説もあります。

 かと思えば、商業出版されていないのにメチャクチャ面白い三悪党の話(笑)もあったりします。

 一般的に面白いとされる作品は、いわゆるひとつのマジョリティであって、マイノリティはつまらないとされます。それ以前に、マイノリティが陽の当たる場所に出ることは難しいでしょう。

 これはカクヨムの読者選考にも通じているのではないでしょうか?

 その作品が面白いとされるのは、たくさんの読者がついた作品。

 読まれない作品は面白くない作品。

 誰かひとりの心に深く突き刺さろうが、マイノリティである以上面白い作品とは言いがたい。

 Twitterのいいねやフォロワーの数でデビューの打診があったり。

 これが今の時代の面白いとつまらないだと思います。


 そう考えた場合、私の作品やこのエッセイを読んでくださっている皆さまの作品はどうなんでしょうか?

 面白い作品なんでしょうか?

 つまならい作品なんでしょうか?

 カクヨムではたくさんの★がついた作品は面白い作品とされています。

 しかし、★が少なくとも、書いた本人は面白いと思って書いたのなら、その作品は作家さんにとっての面白い作品なんです。

 たとえコンテストを通過しなくても。

 これは物語のクオリティを考えていません。

 なぜならクオリティは物語の面白さに直結しないからです。

 作品が素晴らしいものに仕上がったら読者が増えるなんて勘違いはしない方がいいです。

 チャンスに恵まれなければどんなにいい作品でも面白い作品とは言えません。

 あの『ハリーポッター』でさえ、いくつもたらい回しされたあげくの出版だったと言います。出版されるまでは『ハリーポッター』はつまらない作品だったんです。


 一部の作家さんが応募している感想書きのフィンディルさんがいます。

 知る人ぞ知る、凄い感想書きさんです。

 作品を書いた本人ですら気づいていないところまでツッコんで読み解き、感想から指摘、改善案なんかを教えてくれます。

 それも納得のいく形で。

 ならば、フィンディルさんの書いた感想――フィン感で評価の高かった作品は面白い作品なのでしょうか?

 ハッキリ言うと、それもイコールではありません。

 誤解されるといけないので言っておきますが、フィンディルさんの読み込みは本当に凄いです。そのフィンディルさんの評価も納得いきます。

 しかし、読者のほとんどがフィンディルさんほど作品を読み解けていないと言うのが事実です。

 そこまで深く読み込まないとわからない面白さが、一般的に言う面白いと直結するのかどうかは疑問です。

 私の作品で言うならば、『明日の黒板』はとても評価が高かったです。逆に、『雪を溶く熱』はそれほどでもありませんでした。

 しかし、『雪を溶く熱』は公開から五日ほどで★100超えしました。

 はたしてどちらの作品が面白かったのか?


 ただこれだけは言えると思います。

 よりよい作品を書くために、より面白い作品を書くために、フィン感で指摘されたような、作品のクオリティを上げる作業は必要なのではないかと。

 それが面白いと思われないかもしれません。しかし、そう思われる要因をひとつでも多く作っていく必要が作者様にはあるのではないかなと思います。

 作品のクオリティを上げるとか、売り込み(宣伝)とかね。


 面白いは何なのかを考えるのは、永遠のテーマなのかもしれません。

 結局は、自分が面白いと思うものしか書けないんですけどね。

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