第17話 涙の表情

 先日、近況報告にて非公式自主企画『貴方の自信作を読ませてください』を開催したにも関わらず参加者が三人しかいなくて、涙で枕を濡らしているえーきちです。

 や、所詮近況報告ですからね。読まれていないのかも。もしくは、条件が厳しかった? なんて考えながら、参加してくださった方々の作品を楽しく読ませてもらっております。

 いやー、面白いですね。流石、自信作と言ったところでしょうか。

 どうも小説掲載サイトは完結した作品が埋もれる傾向があるようですが、私的には完結している作品の方が読みやすいです。エンディング至上主義ですから。

 最高のラストシーンを演出した作品が読みたいのです。

 フォロワー様で、非公式自主企画の条件に見合う作品を公開している方がいらっしゃいましたら、別に期限は設けていないので参加してみませんか?

 と、こんな所で宣伝してみる。

https://kakuyomu.jp/users/rockers_eikichi/news/1177354054891496465


 いずれは公式自主企画を開催しよう。その時は人数制限しますけど。



   *    *    *


 さて、今回のお題は『涙』です。

 皆さんは最近、涙を流しましたか?

 泣くって不思議な現象です。喜怒哀楽の総てに涙を流す事が出来るんですから。

 悲しくて、痛みで、笑いながら、悔しくて、楽しくて、怒りで、辛くて、嬉しくて、思い出して、絶望して、その他もろもろetc…

 涙って数えきれないくらいの表情かおを持ってますからね。

 文章を書く時だって、それは気合いが入るってものです。


 漫画を読んで、映画を見て、小説を読んで、そして泣く人だっています。

 それは、感動したから? それとも、悲しかったから? はたまた、ガッカリして? 理由は様々です。

 凄いですよねぇ。人って色々な理由で泣けてしまうんですよ。それも、それぞれの理由があって。


 前々回にて『天気の子』を見てきたって書きましたけど、実はその後に家族全員で見に行ったんです。私は二回目です。それでもウルッときましたから。

 ちなみにウチの奥さんは号泣していました。

「年を取ると涙腺が緩くなる」なんて言い訳をしていましたけど、涙を流すという事は、その人特有の理由があっての事だと思います。

 だって、『聲の形』は開演数分後に号泣していましたら。

 ウチの奥さんを除いた家族全員が「泣くの早っ!」とツッコんだのは言うまでもありません。

 大きい声では言えませんが、私は『天使にラブソングを2』で泣きます。どこで? と思われる方が多いと思いますが、大きな声で歌えなかった男の子がめっちゃ高い声を出して歌った瞬間、一気に涙が溢れ出ます。

 まぁ、涙の理由は人それぞれって事で。


 物語においても、様々な涙の要因ってありますよね?

 しかし、私は死を理由に涙を誘う物語が苦手です。

 云わば、最も単純で簡単に涙を誘う『お涙ちょうだい劇』がイヤなんです。

 この物語を読めば、みんな泣くだろうと考えているその魂胆が透けているようで、逆に覚めます。

 先にも書いたように、涙の理由は簡単でもあり、どこまでも複雑だったりします。


 プリキュアのラストで号泣する下の娘がいます。

 六歳くらいの時、ゼルダのエンディングを見て突然ボロボロと涙を零した上の娘もいます。

 もう20年前にもなりますが、私は叔父さんの葬儀で人目も憚らず大泣きしました。まるで父親のように私の面倒を見てくれた叔父さんです。

 私の従兄(叔父さんの息子)が泣いていないのに、一人号泣していました。誰も手がつけられないくらい。

 理由は叔父さんが亡くなってしまったからではありません。

 線香の火を絶やさないように寝ずの番を買って出た癖に、肝心の葬儀の途中でうつらうつらしてしまった自分が許せなかったのです。

 今まで生きてきて、あれほど泣いた事はありません。

 誰かが必ず賛同してくれるような涙ばかりじゃあないって事です。


 自分で物語を綴る時、そんな事を意識しながら涙のシーンを描いています。そして、他の作家様の書かれた涙のシーンを読んでいます。

 ふと、何の気なしに涙が流れるシーンってありますよね?

 涙を流した本人ですら気づいていないシーン。

 あれ、大好きです。大好物です。

 深読みしますよね。その涙の理由を知りたくて。過去だったり、現在だったり、忘れている何かだったり。

 自分の作品でも出てきます。大好物ですから。

 自作を読んでウルッとしたりしませんか? そんな私は可笑しいですか?

 だって、自分でウルッとくるように書いているんですから、読んだ時にウルッとくるでしょう? こなければ、それは失敗です。


 私は涙のシーンを上手に表現できる作家様を尊敬します。とても魅力を感じます。

 ただ単純に『泣く』だけではなく、涙って数えきれないくらいの表情かおを持ってますから。

 そんな涙の表現を模索しながら、日々眠い目を擦り瞳に涙を浮かべています。

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