第33話 大切な話をしよう(緊急告知)

 えーきちです。

 そろそろ暖かくなってきてもいいころ……なんて、今回は雑談を挟みません。

 三月十七日、オレンジ11様著(書籍では伊藤調様になっています)の作品、『ミュゲ書房』が刊行されます。

 ついに、ついに、です。

 待っていました、この時を。

 何で自分の事ではないのにこんなに私が喜んでいるのかと言うと、このエッセイ(第13話 プロフェッショナルなアマチュア)を読んで頂ければわかるのですが、オレンジ11様が『ミュゲ書房』を執筆するにあたって、私が印刷の疑問にお答えしているからなんですね。


 それは『ミュゲ書房』の連載中でした。

 オレンジ11様が応援コメント欄でどなたかに印刷の質問をしているのを読んだのが始まりでした。(今でもあれはコメントに残っているのかな?)

 ミッドポイントをずらすにあたって、初期のころは現在カクヨムで公開されている形と違ったのですが、最初から面白かった。


『悔しさを、バネに――元ラノベ編集者の挫折と再起。


 宮本章(28歳)は元ライトノベルの編集者。

 ある出来事をきっかけに丸山出版を退職した彼は、祖父の書店『ミュゲ書房』にかかわることになる。』(カクヨム公開中の『ミュゲ書房』のあらすじから抜粋)


 この物語はくる!

 本気でそう思った。

 読めば読むほど、この作品にはリアルさが必要だと感じた。

 オレンジ11様は自分の経験と色々な下調べをしながら『ミュゲ書房』を書いていた。そんな時の、応援コメント欄での質問です。

 私のン十年の経験がこの物語の役に立つのなら、どれだけでも役に立てて欲しいと思い、私はオレンジ11様の質問に応援コメント欄でお答えしました。


 私は印刷のプロです。

 それも数年かじった程度のプロではありません。

 オレンジ11様からどんな印刷の質問があっても答えられる自信はありましたし、極端な話、何ページ何部の印刷の見積が知りたいと言われても会社で調べる事が可能でした。


『ミュゲ書房』は元編集者と作家、出版社、印刷会社、市場をすべて網羅した物語です。

 作中にて、印刷の占める割合はほんの僅かです。

 極端な話、そこを欠いても物語は成立するかと思います。

 しかし、オレンジ11様は違いました。

 どこまでもリアルを求め、私に印刷の取材を申し込んできたのです。


 前回のカクコンシーズン少し前。

 ちょうどお互いTwitterをやりはじめた頃でした。

 オレンジ11様からDMで印刷の取材の申し込みがありました。

 それ以前にオレンジ11様は、『ミュゲ書房』の応援コメント欄で印刷の事をやり取りしたり、私の『ようこそ、街の印刷屋さんへ! 教えて、革ジャン先輩!』をすべて読んで印刷を勉強していました。

 それでもです。

 オレンジ11様的にはまだまだ情報が足りなかったのでしょう。

 それも当然です。

 いくら私の物語を読んだとしても、印刷機は明確に表現されてはいません。 

 直接印刷会社に足を運ぶのが一番です。

 かと言って、実際にそれは容易ではありません。

 そこでTwitterのDMです。

 この時、どこかの印刷会社がYoutubeにアップしていた印刷機を動かす映像を使わせていただきました。

 動画の中でオペレーターが印刷機を動かして、実際に印刷をしています。

 その動画を見ながら、オレンジ11様の質問に私がお答えする。

 今で言う、オンライン講義のようなものです。

 取材としては面白い試みだったのではないかなぁと思います。


 そこで学んだすべてのシーンを書くわけではない。それでも情報としてあるとないとでは、物語の厚みが変わってくる。

 オレンジ11様の知識を求める欲求の賜物だと、私は思います。

 他にも本を作る工程や、外注加工先の話などもしました。

『ミュゲ書房』は元編集者の再起です。

 本はなくてはならないものだからです。

 私はあくまで印刷の知識を提供しただけです。

 たったそれだけの事ですが、『ミュゲ書房』が実際に本になると聞いた時、私は心の底から「やったー!」と思いました。

 オレンジ11様の物語に、ほんの僅かでも力になれた事が嬉しいのです。

 もう、速攻予約しました。

 家宝にします。


 そんな沢山の経験と知識を踏まえて出来上がった物語は、ドラマとして本当に面白いです。

 これ、映画化されてもいいんじゃない?って本気で思えるほど面白いです。

 ラストに向かう盛り上がりは本当に震えました。

 大切な事だからもう一度言います。何度でも言います。


 発売日は三月十七日、三月十七日です! 

 

 イラストレーターのくじょう様は、かわいらしくとても素敵なイラストを描かれる方です。

 ぱっと見で、『ミュゲ書房』にベストマッチしていると思いました。

 思わずTwitterもフォローしてしまいました。


 このエッセイを読まれた皆さま、是非買って読んでみてはどうでしょうか?

 超オススメです!


 ただ……

 Amazonの予約は注意です!

 三月十七日発売なのに、お届けが十九日って何でなんだー!!!


(このエッセイは、オレンジ11様の許可を得て公開しています)

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