第27話 続、プロット

 短い夏、なのに集中的に暑い夏、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

 えーきちです。

 相変わらずのコロナのせいで印刷の仕事がドンと減り、仕事が終わって真昼間に帰る事がある現状。

 八月に入るまでは「今年は梅雨がなげぇなぁ」とか「今年の夏、短くね?」なんて思っていたのに、八月に入った途端、地獄のような暑さが到来しましたね。

 それでも日よけのためにライダースを着て通勤しているのですが、先日は凄かったです。基本、私は暑さに強いんですけどね。

 時刻は午後1時、気温38℃、駅までの距離3㎞、仕事帰り。

 この距離を毎日自転車で会社まで通っているのですが、走っている時は平気だったのに、信号待ちの数分間に死を垣間見ました。

 ん? ライダースがいけない?

 や、私はライダースがないと死んでしまう病なんです。

 でも、私がこんなになってるって事は、周りの人たちも大変だろうなぁと思いました。クーラーがなければ死んでしまう世の中って、もう世界が人間を排除しようとしているとしか思えませんね。

 昔は、言うても夏は死なないからなぁ、なんて言ってたのに。



   *    *    *


 えー、今回は小説の書き方です!

 小説はどうやって書くのか?なんて、意識して書いている人はどれだけいるのでしょうか?

 この場合の『書く』は小説作法の事を言っていません。

 小説作法に関しては色々なところで公開されているので、そちらを探してください。私自身、胸を張って小説作法の事は語れないので。

「~~~」なのか「~~~。」なのかだけでも色々意見があるので、これは間違ってるなんて私には言えないんですね。

 どちらにしろ、私が小説作法にしても小説の書き方にしても語れるところはないのです。真似されるような大御所作家でもありませんし。

 そして、小説の書き方に対する考え方も日に日に……と言うとオーバーですが、以前から変わってきています。


 特に考え方が変わったのが、プロットについてです。

 ええ、このエッセイでもプロットについて書きましたね。

「構想から最後まで書き上げるのがプロット」なんて言ってましたねぇ。

 実際、プロットを書かないで小説を書く方がいます。その方の作品はつまらない、なんてことはありませんし、面白い物語だってたくさんあると思います。

 だったらプロットって書く必要があるの?と考えた、そこの人!

 今だから言いましょう。

 ハッキリ言って、書いた方がいいです。

 前と言ってる事が違うやんけー!

 はい、すいません。認めます。前と言ってることが違います。

 なぜなら、前のやり方で、あの後、エタったんですね。

 しかも二作。

 六万文字くらいまで書いて、その先この話が面白くなる自信がなくなって、書くのをやめてしまいました。はい、もちろん結末なんて決まっていません。

 つまらなかったです。面白くなる雰囲気もありませんでした。

 これってかなりのロスです。言って、私はおっさんですからね。

 六万文字書くのに一日三千文字として二十日。二作で丸っと四十日のロス。

 物語を書ける時間は若い人たちよりも少ないんです。なので、ロスなんて出している場合じゃない。特に小説賞を目指して書く作品に、失敗は許されない。

 自分が胸を張って応募できる作品を書くために、プロットを書くことにしました。

 さて、じゃあプロットはどうやって書くのか?

 ここでふと頭をよぎったのが、雲江斬太様のエッセイです。


『斬太が斬る!』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886848556


 雲江斬太様はこのエッセイでかなり多くプロットの事を書かれています。ただ、創作論として皆さまに主張しようとしているワケではないですが。

 プロットってこんなもんから、自作のプロット、映画やアニメのプロットについて考察しててみたり、ご本人様はこのエッセイを『適当に連なる雑文』と書かれていますが、学べることが実に多いんです。

 あくまで一作家様の考えです。絶対に正しく真似するべきだ、なんて言いません。

 雲江斬太様も、そんなつもりで公開されてはいないと思います。

 そもそも、私は雲江斬太様のレベルになれるとは思っていません。

 それでもプロットの大切さについては理解できます。

 

 どうして真似ができないのかと言うと、雲江斬太様は理屈でプロットを書かれているんですね。要するに、面白くするための計算をしているんです。

 彼のように理屈で物語をつくれるようになるのは私にとってはとても難しいです。

 自分なりにプロットを書いてみましたけど、なんじゃこりゃ?ってものが出来上がりました。エッセイを読んだのに、です。

 あのレベルに達するには、なんども繰り返して自分の中にも理屈を作っていかなければならないのかもしれません。そうすればきっと、私は私なりの理屈で雲江斬太様と違うプロットが作れるようになるのではないかなぁなんて思います。


 それでは、雲江斬太様のエッセイで学んだ事を踏まえ、今現状で私が考え得るプロットを書くメリットをご紹介しましょう。


 第一に、面白い物語はプロットから面白い。これは雲江斬太様のエッセイにも書かれています。

 逆に言えば、プロットが面白くない作品を書く必要があるのか、って事です。

 書くな、と言ってるワケではありません。この段階で面白く組み替える事が可能だと思います。物語を書く前段階から面白いか面白くないかがわかっていれば、エタる可能性も低くなります。

 物語の筋も組み立てやすいのではないでしょうか?


 第二に、文字数を計算しやすい。

 目標文字数から、プロットに割り振っていけるので、大体の目安になります。

 ちなみに文庫一冊は10~15万文字くらいですね。そのなかで物語を展開させ、ラストをキッチリ締める。これが出来なくて長編が書けないって人は多いようです。

 ちなみにそれ以上の文字数の物語を書いている方は注意してください。先に書いた文字数で完結できない話は、出版社は必要としていません。

 日常系なら問題ないですが(エンディングがあやふやでもいい)、ストーリー系は先の文字数まで文章を削らなくてはいけません。

 三十万文字以上の作品を12万文字に削らされたという例もあります。

 新人作家の作品で、最初から何部作という形式は取ってもらえません。

 なので一冊が勝負なんですね。売れたら続きを出してもらえます。

 可能であれば、プロットを立てて先の文字数に収めるようにしましょう。


 第三に、これはプロを目指している方には重要です。

 公募で入賞された方は、その入賞した作品でデビューされると思うのでいいのですが、さて次の作品はどうしますか?

 また頭の中で考えて書きますか? 編集様がそれを受け入れてくれる可能性は?

 プロットは企画書です。

 初期段階で編集様に自分の考えた物語をプレゼンする材料です。

 第一にで書きましたが、プロットが面白ければ編集様からGoが出るでしょう。編集様を納得させるもの。それがプロットです。

 なので、雲江斬太様はそのプレゼン能力が非常に高いと思われます。

 プロットを見れば、編集様は納得するんです。面白いかどうかわからない話を書かせてくれるとは思えません。商業作家を目指すのであれば、この武器は絶対に必要だと思います。


 と、まぁ、プロットって必要なんだなぁと最近になってやっと感じた私の言葉なので、その辺は適当に聞き流して頂けるとたすかります。

「おい、えーきち! てめぇ、あー言ってたじゃねぇか!」なんて責めないでくださいね。責任は持てませんので。

 でも、雲江斬太様のエッセイは本当に面白いので、一度読んでみた方がいいですよ。



   *    *    *


 えー、夏が終わりますね。

 私にとっての夏はここ数年、つばさ文庫小説賞の〆切がきたら終わりです。

 あと一週間です。

 今回の二作は下手ながらにプロットをちゃんと作ってから書きました。

 雲江斬太様曰く、なにか特殊らしいですけど。その辺も、私自身が理屈で考える事が出来ていないので、なんだかよくわかっていません。

 おまけに簡単に書くと『展開が同じ』なんですね。言われて初めて気づきました。

 もうその時点で、まだまだ理屈から考えるにはほど遠い所にいるんだなぁと実感しました。

 まだまだ学ぶべきことが多い世界です。


 ついでなので、つばさ文庫用応募作品を宣伝しておきます。


『セイギノミカタの味方』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054899916822


『私の指先ガーディアン』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917654762


 今年はこの二本立てでお送りしております!

 よろしかったら、どうぞ!

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