第11話 作者のかたち 読者のかたち
まず最初にこれだけは言っておきます。
私はお世辞が言えません。
AKYです、AKY! 敢えて空気を読まない、です。
先日、カクヨムコン4当初から追っていた作品が完結しました。
宣伝効果は薄いですが、この場でちょっとオススメしたいと思います。
何故って、カクヨムコンの締め切りに合わせて、一部終了時点でレビューをしてしまったので、自分的に納得がいかないんですよ。
#セカイケイ/菖蒲あやめ様
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885028697
ちなみにジャンルは菖蒲あやめ様自信がオールジャンルを目指したという、聞いただけでは何じゃそりゃ? って物語ですね。
しかし、読めばわかるさ。まさにオールジャンル。
ミステリーからホラー、SF、ファンタジー、恋愛、他にも当てはめようと思えばいくらでも。一粒で二度美味しい所か、三度も四度も美味しい優れ物。
お値段、なんと一万円。今ならさらにもう一作つけて、お値段据え置き一万円。一万円でのご奉仕です。なんて冗談が言えてしまうくらい、得した感がありませんか?
あらすじは見てもらえればわかります。問題はそこではありません。
ワタシは常日頃から、カテゴリーの棲み分けが重要だと思っています。今現在、一緒くたに考えるきらいがあるのですが、小説はやはり小説であるべきだと思うのです。
菖蒲あやめ様は「ゲームとかにならないかな」と考えていらっしゃるようですが、この作品は菖蒲あやめ様の文章で最も光り輝く作品だと、私は思います。
映像にも出来るでしょう。もちろんコミカライズだって可能です。それでも、小説なんです。
冒頭の「はじましめて こんちには みさなん おんげき ですか?」の一文(タイポグリセミア)からの七不思議。ここですでに、読者はセカイのケイに飲み込まれます。
そして、大見出しからの小見出し、総てが上下二話で構成されるタイトルと、読者を惑わすセンタクもこの物語の肝になってきます。
文章を捏ね繰り回すのが好きと公言する菖蒲あやめ様です。そのリズムやテンポ、色合い、雰囲気。それはまるで深く暗いアナに落ちるような感覚で、物語から抜け出せなくなるのです。
もうね、惑っちゃいます、惑っちゃう。
総文字数二十八万文字ジャスト。三部構成。例えばハードカバーで言えば上下巻――もしくは、表裏巻。三部は二部に含まれます。
登場する知識的情報や謎も、上手い具合に読み手をこの物語に縛りつけます。
一つ謎が明かされれば別の謎が増える。それらを総て集結させ、最高の完結へと昇りつめるのです。
感無量でした。
読み終わった後、私の胸にぽっかりとアナが開いたような気がしました。気持ち的には☆10個つけたいくらいです。
と、内容についてはまったく触れません。だって、イヤじゃないですか? 情報は少ない程面白いと思いませんか? 私はそうです。
で、何でこのエッセイタイトルで『#セカイケイ』の紹介をしているのかと言うと、菖蒲あやめ様もそうですが、私は読者として「スゲーな」と言われる事が結構あります。それは、とても喜ばしい事です。作者としてはなかなか言われませんが。
私は読んだ端々で応援コメントをよく入れます。ミステリー系の話(謎が多い話)は特に好物で、その時々のストーリーについての考察や感想を書き込んだりします。これは、自分が同じようにされると嬉しいと言うのもありますが、読む事を思いっ切り楽しんでいる結果でもあります。
(ストーリーに突っ込みすぎて、書くべきではない応援コメントを入れてしまった事もありますが。基本的にはあらかじめ、問題があるコメントは削除してくださいとお願いしています)
だれでもそうでしょうが、時間は貴重です。自分の大切な時間を削って小説を読みます。同じ時間を使うなら、より楽しんだ方がいいとは思いませんか?
だから、私は書く時だけではなく、読む時も全力です。
情景を思い浮かべ、知らない事は調べ、時には戻り、立ち止まり、謎解きなんか出てくればそれだけを何日も考えたりします。
某所での笑い話ではないですが、PV10000超えの『#セカイケイ』で2000PVは私が読んでいるんじゃないかとさえ言われました。流石にそこまで読んでいません。せいぜい500PVです。しかし、本当に思いっきり楽しませて頂きました。
カクヨムの中には様々な作者のかたちがあります。そして、読者のかたちも色々あります。これが私の読者のかたちなのです。
皆様の読者のかたちはどんなかたちでしょうか?
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