第21話 オレは物書きだ! キミは?

 カクコン終わりましたね。

 皆さま、お祭りは楽しめましたか? えーきちです。

 私は何気に短編一作投入いたしました。これがまた不思議な作品になってしまいまして。

 読まれた方もいらっしゃると思いますが、深い話ではありません。文字数の壁もあって、細かい設定はすっ飛ばしています。

 簡単に言えば、ノンストップナンセンス。コントですね、コント。笑える話が書きたかったんですよね。

 これが刺さる人と刺さらない人がハッキリしていて、読者様の反応で私が笑ってしまった次第です。

 しっかりとした物語を求めている人にはまるで刺さらず、ただ面白おかしく読んだ人には刺さるという。ああ、この読み手さんはこういうのがあまり好きではないんだなとか、この読み手さんはこれに☆みっつくれるんだ、とかとか。

 物語の人気って読者の嗜好の現れなんだなぁ、なんてしみじみ思いました。




   *    *    *


 さて、今回はカテゴライズの話です。

 小説のジャンルの話ではないので、最後まで読んで「騙された」なんて思わないでくださいね。


 突然ではありますが、私はバイクに乗っております。いわゆるひとつのRockersと呼ばれるヤツです。

 Rockersとはなんぞや? という話ですが、詳しく書くと何万文字にもなってしまいそうなので簡単に言うと『1950年代後半にイギリスで誕生したバイク乗りの呼称』って事です。

 彼らはジュークボックスにコインを入れて、その音楽が終わるまでに誰が一番早く戻ってこられるかを競う公道レースを繰り返し、『TON-UP BOYS(タンナップボーイズ)』と呼ばれていました。TON-UPとは時速100マイル(160km)超で走る事で、結構死人が出たそうです。

 ライダースジャケットをワッペンやピンバッチ、鋲などでギラギラに装飾して、Rock 'n' Rollを好んで聴いていた彼ら。

 当時台頭していたModsに時代遅れと嘲笑され、対立していた様子を描いた映画『さらば青春の光』が有名です。

 そして、日本にもその魂を引き継いだRockersがいます。一時、ただのファッション用語に成り下がった事もありますが、その頃お洒落気分でライダースジャケットを纏いバイクに乗っていた連中はこぞって足を洗っています。

 彼らに取ってRockersはただのファッションのアイテムのひとつだったんでしょう。

 Rockersは文化であり魂であり生きざまであり人生です。ファッションではなく、概念といった方がしっくりきます。ヤメるなんて考え方自体が間違っています。


 これは物を書いている人にも言えるんじゃないかなぁと、最近思った次第で。

 カクヨムには沢山の作家様がいますね。中にはまだ中学生とか、上はどこまでいるんだろう? 少なくとも私くらいのおっさんもいる訳です。商業作家様や、商業作家を目指して頑張っている作家様、趣味で書いている作家様。様々です。

 私自身、何度か公募に小説を応募して、すべて落ちてきましたが、そんな方もカクヨムには少なくないと思います。

 くじけそうになった事も片手では足りません。いつまで書いていられるんだろう? いつまで書いていていいのかな? なんて思った事も何度もあります。

 とか言いますが、商業作家を目指している作家様の筆を折るは、書くのをやめる事ではないと思うのです。

 諦めただけ。

 認められないのが辛くて、そんな現状が我慢ならなくて、思うように書けなくて、目標を断念しただけ。なのかなぁ、なんて。


 けど、別に諦める必要なんてないと思いません?

 仕事をしないで執筆活動をしている人がいるのなら、それは確かに死活問題だけれども、今時は作家デビューしてもって言われる時代ですからね。仕事しながら書けばいいんですよ。

 認めてもらえなくても書けばいいんですよ。

 死ぬまで書けばいいんですよ。

 誰も笑ったりはしません。

 もし笑う人がいても、放っておけばいいんです。そんな人たちの大多数が物語を書けない人たちですから。


 ちょっと話が戻りますが、イギリス人Rockersの人たちはカテゴライズします。

「俺はRockersだ。お前はRockersか?」と。

 ちょっと前の日本人ファッションRockersの人たちは自分をカテゴライズしませんでした。できませんでした。

「自分なんかがRockersを名乗っていいものかどうか」なんて台詞、何度聞いたかわかりません。

 お国柄と言われればそうなのですが、別に恥ずかしがる必要なんてないのに。謙る必要もないのに。

 例えロカジャン着ていなくても、バイクがVESPAでも、坊主でも、「俺はRockersだ」って言ってしまえば、きっとRockersなんです。


 日本人は謙るのが美徳とされています。

 自分の書いた物語を拙作とか駄作とか言いますよね。私は言いませんけど。

 これはいいです。謙っている訳ではなく本気でそう思っている人だっていますから。それがいいとか、悪いとか言うつもりはありません。

 けど、物を書いている事くらいは自信を持ってもいいんじゃないでしょうか?

 物書きだって胸を張ってもいいんじゃないでしょうか?

 好きで書いている人がいます。嫌々、自分のアイデンティティの為に書いている人だっています。自分の意志ではなく書いている人だっているでしょう。商業作家を目指している人、趣味で書いている人。書き始めたばかりの人。

 全員、物書きです。そこに上も下もありません。


 だから、作家様も同じで、「自分は物書きだ」って言えば、物書きなんじゃないかな? だって書いてるじゃない。書いていない人は流石に物書きとは言わないけど。

 そこは明確にカテゴライズしていいと思う。世の中、書いている人と書いていない人の二通りしかないのだから。

 今や小説投稿サイトが沢山あって、カクヨムで活動しているから実感ないかもしれないけど、誰でも書ける訳じゃない。

 自分の周りを見回して、小説書いている人って何人いるだろう?

 決して多くはないと思う。少なくとも私のリアルでは2、3人しかいない。知らない。

 物語を書けるって凄い事なんです。




   *    *    *


 ここ最近、カクヨムやTwitterで知り合った作家様が、いい感じに受賞したり選考突破したりしている。

 羨ましくあるけれども、本当に嬉しい。

 七海まち様はつばさ文庫で二作品最終選考。結果はまだ。

 村山むら様は青い鳥文庫入賞。

 ずっと応援しております。心からおめでとう!

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