絶賛停滞中な訳で。


 今日も書けない。


 停滞している合間の焦燥感は酷く心を蝕むのです。

 僕は今、その感覚で全身が浸しているのてす。


 更新していないし、pv的にも動かない。だから、完全に孤立したんではないかという幻想に、ワナワナ震えてしまう。そんな状態に陥ることはありませんか?


 気持ちを切り替えることは出来ても、一文も進めずに更新が出来ない事態が変わらないから、根本的な解決にならないんだよなぁ。


 という事で、昔の文章を、引っ張り出してみるのは、どうか。

 というか、そもそも使い回しが読者に受けるのか。使い回しとか読者を舐めんじゃねぇよ、と思われるのか。昔の方が面白いと言われたら嫌だな。

 という、問いや不満も生まれるけれども、今回は「『今日も書けない』を題材に。」史上もっとも書けない回なのは、間違いない。


 背に腹は変えられないのだ。

 この孤立感を解消する為だけの投稿という行為を、許してほしい!


 とりあえず、やってみよう。

 これは二年前くらいの、「発想の勝利」というエッセイの文章だ。「発想の勝利だ、なんてレビューに安直に書くんじゃないよ」と攻撃する、内容だ。



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【発想の勝利】


 なにかしら、ハジけた小説を読んだとき、頭に浮かぶのが


「発想の勝利だなぁ」


 という言葉。もしかすると僕なんかレビューに書いてるかもしれません。


 なぜなのか、なぜ審判気取りなのか。

「発想」に負けたのは何者なのか。


 判定基準の曖昧さを逆手にとって、

「発想」さんは、「わたし、すごいでしょ」とちょっと雰囲気かもしだせば、


 僕みたいな権威主義は、

「赤コーナー!発想の勝利ィイ!」

 ってやるよ。やっちゃうよ。


 そういう経緯で「発想の勝利」という言葉は、ある種の“思考停止””なんではないかと。


 ほら、見てみて。

 3分1ラウンドを、「発想」さんが強烈な右フックでゴリゴリ攻めた後の、インターバルの様子を。


「発想」さんがコーナーに戻れば、

 まずセコンド「構成力」さんがリングに飛び上がり、「発想」さんのぶっ飛んだ思考回路に、応急処置の薬を塗り込み、体裁という名の筋肉を、揉み解す。


 もう一人のセコンド「語彙」さんは、耳元でアドバイス。

 かなり粗削りなアイディアを、細かなニュアンスと美しい文章、リーダビリティに優れた戦い方を仕込む。


 そうやって、


 縁の下には、リングの外には、


 素人目には正直まったくモノにならなそうな「発想」さんの、奇想天外なハードパンチをきっちり磨く奴等がいるはずなんだ。




 確かに「発想の勝利」だった。

 それは事実。

 でもって、アナウンサーがマイクを向け、


「まずは、おめでとうございます、お見事でした」

 なんてのたまえば、「発想」さんはこう返す。


「皆のおかげで、ここまで来ました」と。


 これは諭されてんだと思う。イラッときているんだと思う。

 重要なのは、そこじゃないんですよと。

 奇抜な見た目の「発想」にばかり食い付きやがッてと。


 キャッチーさに飛び付く、観客の浅はかさ。





 実は発想を、人が読んで感心する形に仕上げる能力の方が、かなり重要だと思える。


 僕は、「発想」さんで勝利をもぎ取る小説家は、他の小説も普通に面白い、超手練れだと思っています。



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 どうだ。

 過去の僕は、どうなんだ。心なしか、のびのびしているように見える。しかし、なぜそこに怒りが沸いたのか。よく分からない。


 あの頃の、のびのびを思い出せ。そう言い聞かせながら、僕はこれを投稿する。







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