web小説と二次創作と原体験と

 今日も小説が書けない。ノートを閉じ、ペンを置く。

 他のWeb小説を参考にしたい、ということで、小説投稿サイトを転々としながら色んなジャンルを見ていく。

 よくもまぁこれだけ小説を書きたい人々が居るものだなと思う。皆、小説を書くに至る、それなりの衝動があるはずで、はたしてそれは何なのか気になるところだ。


 Web小説の源流には、二次創作がある。

 僕は最近、そういうふうに学んだ。僕自身もそうだったのかな、と思い返すと当たらずとも遠からずだった。

 僕は、二次創作というかマネをしようとして、ぼんやりと駄作を作っていた。何をマネようとしていたか。それは「ぼくと駐在さんの700日戦争」というWeb小説だった。

 駐在さんにイタズラを仕掛けたり、仕掛けられたりドタバタ半フィクション。腹抱えて笑えるコメディ、心にグッと来る人情話、どれもこれも良かった。

 僕もそれを読んでから、小さいイタズラやら思いつきを、小説投稿サイトに投稿していた。文章を書くのはそもそも苦手だったので、驚くほど酷いモノをキャッキャ言いながら書いていた気がする。


 僕史上、「ぼくちゅう」のインパクトが凄かった。読者のコメントでストーリーが変わる。読者を登場させる。月曜日は面白くさせる(皆、休み明けの仕事で憂鬱だから)。とWebを生かしてレスポンスの良さがあった。凄いものを目撃している、みたいな感じで夢中になった。今もたまに読みに行くし。


 それを自分で再現したかったのかもしれない。だいそれたことだけど。最初のあこがれかもしれない。


 いろんなWeb小説を眺めながら「なんでこんなに大変なことを好んでやるのだろう」「読まれる可能性も少ないのに、なんで書き綴るのだろう」と疑問が沸いてくる。何かが始まった瞬間、きっかけ。その話はそれだけで面白い。それにそういう体験は顕著に作風に出てくるイメージがある。

 それだけで、ニヤリとしてしまう。


 プロの作家でも興味深いが、これからの人達のはもっと興味深い。皆の小説を書こうとする原体験を、僕は知りたいなぁなんて思う。


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