止まらない連載であれ。

 今日も小説が書けない。ノートを閉じ、ペンを置く。

 もう、なんなら意図的にこっちを書いている。

 長編小説に挑戦する度胸がないからだ。

 僕から見れば、連載長編小説を完結させる、なんていうのは、苦痛を伴う修行のように見える。

 一日、何文字をコンスタントに進めるというルールを課して、淡々と綴る。計画通りに書き切る。それは、もう作家です。


 このエッセイは、エタる(初めて使ったぜ)こともあるだろなぁと思いながら、書いている。読者には酷い告白だと思うけれど、辛抱強くない僕の本音です。


 最終回、ゴールを考えていない、という点で、モヤモヤと考えることがある。


 いいとも最終回で中居正広が語ったスピーチが、僕の中でとても印象に残っている。

《バラエティって、非常に残酷なものだなと思います》


 たしか、こんな話だった。


 ライブやドラマ、映画は、最終日があってそれを目指して頑張る。評判の良し悪し関係なく終わりがある。なのに、バラエティにはゴールがないなか、終わらない為に頑張らなければいけない。

 覚悟が必要で、最後はいつも寂しい。だから、残酷だ。


 その通りだ、と思った。


 僕はバラエティ番組が好きだ。今年終わった「みなさん」にも「めちゃイケ」にも、酷い喪失感があった。



 終わらせる為に頑張るモノ、終わらせない為に頑張るモノがある。その言葉は僕の中に強く残った。

 長編小説も、最終話を目指す。ゴールがある側のジャンルだ。

 小説を書けない理由には、僕にバラエティ好きのマインドがあるからかもしれない。


《常に最終回の気持ちで》


 心に残った「めちゃイケ」内での、加藤浩次の言葉だ。カクヨムに投稿したもので何度か、自分でも分かるくらい適当なのを何個か挟んで失敗したことがある。それを境に読者が離れるのも目に見えて分かった。

 常に最終回、このエッセイはそんなノリで書く。そういうバラエティとして書く。そういうのもありかな、というスタンスで、コレを始めて今もそんな感じ。


 僕の場合、単純にバカで、長い射程で物語を書けないだけなんだけども。


 この連載を終わらせる。ということは、小説を執筆しているからではなく、これそのものが誰かに読まれる展望がなくなったか、気持ちが『書く』から離れたということである。どちらも嫌だな。


 僕の好きな「僕と駐在さんの700日戦争」も、ずっと連載しているネット小説で、見る人がいる限り続けると言っていた。


 僕も、連載を終わらしたくないな、とは思っている。

 ただし、それは結局のところ、寂しい終わりになるエッセイなんだなぁと覚悟しないとならない。そんな諦念を少し抱えながら、「書けねぇよ、書けねぇよ!」と喚きながら、今後も1話1話進めます。

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