野良の読者にできること。

 野良の読者だ。

 気ままに読み、投げる。その小説を書かれた背景を知らなければ、読むべきタイミングに読む努力もしない。特定のジャンルを網羅したり、文学史の流れを汲むこともできない。

 専門家でなく、マニアでもない。でも、本と呼ばれているものはとりあえず読む。


 ジャンルの入口を見ずに塀を越えたり、整備された見通しのよい流行は横切ったり、人が少ない路地裏の小説を歩いたり。

 そういう比喩で、野良だ。


 そんな人が、紹介エッセイをはじめたのだけれど、どう思われるんだろうなーと、常々思う。

 需要も意味もあるのかな、とか。他のスコッパー的な活動をしている人の実情も知らないから、やってることが合ってるのかも分からない。とりあえず、ずっとやりたかったことではあるのだけれど。


 たとえば専門家、マニアの紹介だったら、それをまとめる意味があると思うし、需要もある。

 流れも広がりも俯瞰しているだろうから、紹介するものが今まで発表されてきた小説たちと並べて、どこに位置付けられるものかを知っている。読者に向けて読む意義を説いたりとかできるのは、かなりの強みだ、とも思う。


 まあ、それでも野良が短編オンリーの紹介をやるのは、やっぱり探すのが大変な印象があるからだ。

 短編はつくりやすいし評価を得やすい、という話があって、世の作者はバンバン作っている。それは普通に良いことだけれど、それがそのまま読者の探し易さとトレードオフになってるはずだと、思ってる。


 ちょっとだけ、それを読者側に引き寄せられないかな。


 できるだけセンセーショナルな感じで紹介はやらないようにしたい。センセーショナルさは、人の審美眼を狂わすから。


 覚え書きでした。

 

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