つくりかけのファンタジーに、意見がほしいです。パート4【設定のまとめ】

 設定の説明ばかりの断片が増えていくので、そろそろ一度区切りをつけないといけないのかもしれないですね。


 とりあえず、またアドバイス頂いたので、そこだけは考えます。なので、覚え書きのようなものなので読まなくてもOKです。


 作品に深みを出す為に「游灯球コムローイ」という世界が、どんな社会構造をして、どのように人々は生きているのか、丁寧に考えてみます。

 ①【前提】

 ②【人々の基本的な考え方】

 ③【食事】

 ④【技術水準】

 ⑤【宗教】

 ───────────────────

 ①【前提】

 ・渋気しぶきという人を死に至らしめる霧によって、地上はほぼ住めない。

 (「風の谷のナウシカ」の腐海の瘴気より、ハードな設定かもしれない。)


 ・空に浮かぶ魔法の技術があり、人々がそれを利用して、常に空で生活する。

 (「天空の城ラピュタ」の飛行石が、一家に一台レベルで普及してる。)


 二つの基本的な世界の設定は、ジブリの世界設定を過剰にしたものだったりします。雰囲気が似ないようにしたいです。


 そして、もうひとつ。

 ・魔法の技術の限界で、空を自由に飛び回れない。基本的に風に漂う。

 コムローイというタイのお祭りをイメージした、幻想的な世界観を作りたかったので、これは外せない。


 上記のことから、

「地上に降りれない、漂って留まれない、落ちたら終わり」

 が基本になります。


 あとは、ほぼ地球と同じサイズ感の星で、同じような植生です。気球だと20日くらいで一周するぐらいの。



 ②【人々の基本的な考え方】

 ・つねに空で生活して「地上に降りれない、漂って留まれない、落ちたら終わり」と言えば、真っ先に「宇宙ステーション」を思いつきます。


 人間がそこで生活し続けられるように、宇宙船はシステマチックに設計されている。事故が許されない、定期的に補給船が必要、居住スペースが狭い、マニュアルの徹底などの話は、この異世界にも入れやすい。

「失敗という選択肢はない」はアポロ13号の管制官の言葉、この精神は入れていきます。



 この異世界の人々は、一歩踏み外せば死んじゃう環境で生活するので、剛胆さとプロフェッショナル精神を要求されそうです。ピンチでも、生きるか死ぬかの勘定を冷静にできる、そんな人々。

 もし「愛すべき馬鹿」的なキャラをだしても、そういう奴は呆気なく死ぬ……という可能性も。

 難しくないですか、描くの。



 ③【食事の問題】

 ファンタジー小説は、食べ物の描写を丁寧に描く。これでもかと豪勢で美味しそうに、描写を割くのが印象的です。

 ファンタジー×グルメは定番ジャンルだと思います。


 そうなっているのは、その世界の文化をよく表すからでしょう。

 食べ物で宗教観(酒、肉などの摂取の禁止)、地理的な特徴(内陸か、海辺か。寒冷地か、温暖か)、国の貧富まで。


 ……なのだけど。


 この異世界の設定じゃ、農耕が出来ない、漁業が出来ない、狩猟が出来ない。

 空って、とんでもなく何もない空間でした。


 自給自足は、船上では無理。

 買ったり支給されたり、どこからか食糧が補給されているはず。

 どこから!?

 業者が栽培専用の舟を持っていて、大量に人工栽培している、とか。太陽光の恩恵はある。

 人工栽培といえばキノコ、あとは「かいわれ大根」や「もやし」のスプラウト系? 穀物は無理か。

 かなり無茶なかたちで食糧を得て、かなり質素な食事をしているかもしれない。


 もしくは、ファンタジーな力に頼った生態系が、空にあったりすれば良いか。入道雲にだけ住む生き物とか。


 ということで「ファンタジーな生き物に頼りつつ、基本はとんでもなく質素な食事」で行きます。


 つまり「ファンタジー×グルメ」の人気ジャンルは、ぶん投げます。香ばしい香り、したたる脂、香辛料の風味、ぶん投げます。くそ、悔しい!


 思いきって、ディストピア風味の食事に振ってしまうのも手かもしれない。きな臭い時代背景を表せるかもしれないです。




 ④【技術水準】

 オーバーテクノロジーの魔法以外、いつくらいの技術水準を目指すか。産業革命あたりとざっくり考えています。

 人が生きるには空は過酷な環境なので、技術を発達させて協力しあって、どうにか食い繋いでいます。

 魔法という技術も「魔女という存在しか理解できない」という設定。物理の最先端の理論を、数人の学者しか理解していないようなもので、灯炉ランタンという形で、民間の産業まで応用できたのも、かなりの偉業という設定です。


〈想定される質問〉

「Q:大きな灯炉舟ランタルアは、空でどう作ったのですか?」

 例えるなら、

 10㎏の灯炉ランタンは積載量の限界が110㎏。

 10㎏灯炉の上で100㎏灯炉を造る。

 100㎏灯炉は限界が1100㎏。

 100㎏灯炉の上で1000㎏灯炉を造る。

 というような、地道な繰り返しで大きな灯炉舟ランタルアを製造しています。


「Q:どうやって舟の資材を集めているのですか?」

 サルベージ屋が、過去の遺構を引き揚げ回収しています。そうやって資源を得る業者がいます。


 そこから、鋳造屋などの製造業者に資源が渡ります。

 一つの舟が一つの工場という感じで、複数の生産者が組んでいて、分業が進んでいます。




「Q:燃料はどうやって仕入れるのですか?」

 「魔法で浮かぶクジラ」と「捕鯨船」の存在を想定しています。


 魔女と等しく魔法を扱えるクジラと、それを捕まえて、灯炉ランタンの漂油を得る捕鯨船。


 あの「魔女の宅急便」に登場した飛行船『自由の冒険号』ぐらいの大きなクジラが、月夜をゆったりと游ぐ姿を、どこがで描きたいです。



 ⑤【宗教】

 正直考えるのは難しい。

 風に流されている為に、定期的に寺院に通う文化がないので、自分の舟で簡略化された何かを行う程度かもしれない。


 ずっと消えずに燃えている灯炉ランタンの焔に、毎朝、安全な運航を祈るというのはどうだろう。

 技術が発達しなければ生き残れなかった為に、技術への信仰が熱いかも。

 ここは追々、深めていこう。


 ────────────────────


 今回はここまで。

 設定を説明しながら、主人公の物語を描く、ファンタジーというジャンルの難しさを改めて感じます。

 8000字くらい書いても、設定を説明できないなんて、風呂敷広げすぎたかも。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る