2020振り返り

 久しぶりの更新!

 年末バタバタしすぎて、気付けばもう12月31日です。

 時間が少ないけれど、作品を振り返っていこうと思います。よく投げ出す悪い部分しか目がつかないので、振り返りは苦手だけど、こういうときしかできないし!


 今年書いた作品はこちら。


「腐ったアタマで考えられっか!」

「檸檬の中には紙幣が埋まっている」

「SOMEBODY PICK UP MY PEACH」

「緋竜の習作」

「星いっぱいの大風呂敷をたたむ簡単な方法/いつか風になるまでにやるべきたった一つのこと」

「奇跡のカレーと不思議なブタ」

「海難」


 全部で八作品(うち一つ、未完結)。

 総文字数、61753文字。

 一番星を頂いたのが、「奇跡のカレーと不思議なブタ」で86個。

 去年の目標「2019年の作品を超す」を叶えられませんでした。

 全体を通して見ると、意外に量を書いていますが、自分的な印象では、2019年に比べて悩んでばっかりでした。

 驚いて貰えたり楽しんでもらえるかいろいろ試しながら「自分がこれからもずっと小説を書き続けるなら」とか「何が向いていて、どこが駄目なのだろう」みたいなことばかり考えていました。

 ジャンルの定まらなさに、その悩みが凄く出ていると思います。

 八作品を一つずつ振り返ります。


【腐ったアタマで考えられっか!】

 これは、読書がそのまま体験になるような小説を作ろうと思ってから、半年くらい考えてたくさん書き直したものなんですけど、全然読んでもらえなくて当初は落ち込みました。

 残念ですけど当然な気もします。タイトルとキャッチコピーとあらすじ、冒頭など、入り口部分がかなり不味かったと思います。

 その分、レビューと応援コメントがめちゃくちゃ嬉しかったです。



【檸檬の中には紙幣が埋まっている】

 これも時間がかかったんですけど、タイミングよく合った自主企画に参加させてもらえなかったら、こんなに読んでもらえてない気がします。ほんとに良かったです。あと、いろんな作風の作者さんから評価もらえたので、広く届き得る小説が作れたのかな、と手応えを感じた小説でした。マジックのモチーフと、この物語ががっちり噛み合ったのが良かったんだと思います。



【SOMEBODY PICK UP MY PEACH】

 前の小説二つが時間を掛けて書いたものなので、今回はアイデアが浮かんでから、力をかなり抜いて書きました。気まぐれで英語タイトルにしたのを、どう思ったのか読んだ人に伺いたいです。雰囲気的にノスタルジックでしっとりしてるのに内容はチグハグなので、こんなに評価してもらえるのが意外でした。



【緋竜の習作】

 未完結です。今までより長めの小説を試しに書いてみよう、と気軽にはじめたのですけどエタってます。二万字から三万字を想定したプロットのオチがついていて、まだちょこちょこ書いているのですけど、たかだか五千文字や一万文字で終わる短編との違いを、凄く感じています。

 長い分、オチより結末に至るプロセスのほうが大事で、「終わってみれば、これっぽっちの話を長々と」と思われないようにプロット以上に、内容面を膨らます必要があって。でも、今まで自分は最短距離で走る方法しか知らなかったので、描写や語り方、膨らませ方をどうやっていいか全然分からない、という感じでさた。来年の宿題です。



【星いっぱいの大風呂敷をたたむ簡単な方法/いつか風になるまでにやるべきたった一つのこと】

 こうしたら面白くない? こういうのもアリだよね、なんてノリと手癖を全開で書いたらどうなるだろう、と作った自分本意な小説です。書いていて僕自身は楽しかったんですけど、案の定、たくさんは評価つかなかったですね。読者に広く深く届くように、物語をしっかり研ぎ澄ませばならぬ、と考え直しました。それはそれとして好きな短編二つです。



【奇跡のカレーと奇跡のブタ】

 前回の反省を踏まえ、三幕構成を意識して、自分の得意分野、慣れ親しんだ小説の要素を取り入れて書いた渾身の小説だったので、応援コメントの熱量が、ほんとに嬉しかったです。読者選考がないとはいえ「5分で読書」コンテストの盛り上がりも相まって一番評価の高い小説になりました。やったー。



【海難】

 自主企画に参加するために書いた、実験小説? という感じですが講評を貰えるのはありがたかったですね。講評貰うのが久しぶりだったので、緊張しました。いい緊張だったので、来年は講評企画にもっと積極的になってもいいかもしれない、と思いました。



 全八作を駆け足で、さっくり振り返りました。

 それで分かったのは、自分の得意分野というか、皆さんに「ここ良いよね」と言ってもらえた部分をかなり意識した一年だったということです。

「たくさんの要素を詰めて、それらを結末に綺麗に捌く、収束させる」

「不思議な状況を、読者に当たり前のように受け入れさせる」

 の二つです。前者は個人的に好きな作品のタイプなので前から目指している作風なんですけど、後者のほうは言われるまで気づかなかったもので、それを知れたのは、今年の大きな収穫でした。

 設定をしっかり組まなくても「この世界は、そういう世界なんですよー」と軽く納得してもらえるのなら、力が入らずとても楽に書けそうなので、大切にしたいです。


 

 作者の好きなこと、作者の得意なこと。

 読者が求めてること、読者が驚くこと。

 バランスが難しいし、来年もずっと悩みそうです。

 来年は短編とSFに軸足を置いて、10万字くらい掛ければいいな、と思います。

 では、今回はこの辺で。来年のことは来年にしっかり書こうと思います。

 今年一年読んでいただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします!

 よいお年を!

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「今日も書けない」を題材に。 緯糸ひつじ @wool-5kw

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