あれは失敗作かもと思うようになった。【追記あり】
「字句の海に沈む」
を投稿、公開しました。いつかは参加したいと思っていた「同題異話SR」の企画に、初参加したものです。
「字句」なんて単語が入っていて「言葉そのものに対して真正面から描かなければダメだぜ」みたいな挑戦的、否、魅力的なワクワクするタイトルだったので、今回は絶対参加しようと決めました。
そして残り一週間というところで完成しました。目標は達成です。
企画の期間内に早く公開だ。そんな気持ちもあって急いで投稿したのですけど、なにか自分の中に違和感があって。ここ何日かで考えているうちに、あれは欠陥があるかもしれないと思うようになりました。
モヤモヤとまだ言葉になってない気もしますが、とにかく形にしようと思い、今回はそんな話です。
完成当初は、自分なりになかなか上手く出来たのではないか、と思いました。
例えば、比喩を全面に押し出したこと。
畳み掛けるように言葉を繰り返すこと。
繰り返すたびに、言葉が少しずつ変化しながら、話を二転三転させて進めること。
あと皮肉になるような対比も入れたり、対句法みたいなのものも意識したこと。同じ言葉が前後半で印象が変わるように工夫したこと。
より使う単語数を少なくして二〇〇〇字を埋めよう。レトリックに拘ろう。そんな実験で、そんな挑戦でした。
でも先ほど書いたように、ずっと違和感があって。なんでだろうと考えるうちに、今は欠陥がある、と思うようになりました。
単刀直入に言えば、語り方を間違えてるんじゃないか、と思っています。
詩のように、切なく美しく語ろうとした。でも、そこが本当に正しいのかなぁ、と考えるようになりました。
あのボトルメッセージ、特に比喩の部分を素直に受け取るならば、それを書いた少年の状況は酷くしんどいもので、なおかつ文字通り致命的に危ういものです。
その背景まで想像したときに、当事者が「切なく、美しく」語ることが出来るのかな、と考えました。
僕だったらリアルじゃ無理だなぁと思います。どうやったって「苦々しい」語り口になるなぁと思いました。
だから、あの作品はあまりにフィクションすぎる。そんな気がしてきました。
比喩や、対句に対比。言葉のレトリックや印象に拘るあまり、有り得ない語り口になったんだと思います。
そしてレトリックや言葉遊びは、本来見えるツッコミどころを、覆い隠してしまう効果があるのかも、と思いました。
言葉に拘り、言葉ありきで物語をつくろうとして、結局は間違えた。
「ボトルメッセージ」で伝えようとしたことが、まさにブーメランみたいに「ボトルメッセージ」の作り方を揶揄してる。
意図せずに皮肉な形になり、モヤモヤと妙な気分が残りました。
評価してくれている人もいるなかで、どう考えていいか分からなくなります。
「大きい欠陥のある作品」
公開後にそう感じた小説について、皆さんはどう対処しているんでしょうか。
◆◆◆【追記(2019/7/01)】◆◆◆
今回は早いうちに思いきって非公開にしてみようと思います。
最近は、もっと良い小説を作って残したいと欲が出てるようです。
そもそも二五〇〇字の短編を、あれだけ評価してもらうことは、今までの僕にはなかったはずなので、良かった部分はしっかり今後の作品に活かしていきたいです。
アドバイスを下さった方々、ありがとうございました!
次の同題異話SRのお題はどんな感じなんだろう(´・ω・`)。
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