つくりかけのファンタジーに、意見を求める!

つくりかけのファンタジーに、意見がほしいです。

 小説書くなら一度はファンタジーやりたいなぁと思い、温めていたものを少し書いたのですが、ちょっと見てほしいです。


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 澄んだ夜空に浮かぶ、数百の洋灯ランタン


 温かいオレンジの灯りが、お互いを照らしあいながら、宙をゆらゆらと舞い、ふわふわと漂う。気流に流されながら作る景色は、一度として同じ形は作らない。


 よくよく目を凝らして見れば、一つ一つの洋灯ランタンの下にずんぐりとした船体がついている。そして、粒のような人々が動き回っている。


 ──灯炉舟ランタルア

 本来なら舟の帆に当たるところに、魔法が掛かった巨大な灯炉ランタンが点っており、ぶら下がった舟に浮力を与えている。


 弧を描く水平線が、白んできた。夜明けだ。

 その舟から、一人の青年が地表を見下ろす。真下の海岸線を眺める。深紫の霧が、朝陽でぼやぁと姿を見せ始める。

 地を這い海を滑る、輪郭のない死神。

 澁気しぶきと呼ばれる、人を死に至らせる霧だ。

 この霧のせいで、この世界の人々は地上を知らずに生涯を閉じる。


「次の係留地まで、何日くらいでしたっけ!」

 若者は、マストの上から声を張り上げる。

「あと4日だ」

「漂油、ちょっとギリギリじゃないっすか!」

「節約するぞ、風呂は水風呂だな」

「またかー!」

「もう少し、質の良い漂油を回してくれりゃ良いんだけどな、お上が渋ってんだ。護送艦隊にほとんど上質の漂油が食われてる」

 青年が見上げると、一際大きく武骨な灯炉舟ランタルアが列をなしている。

「まぁ、仕方なくないっすか」

「はぁ? あいつら、オレたち引き揚げサルベージ屋にくっついてうろうろしてるだけで、何もしてねぇじゃねぇか」

「空賊に襲われた時にも、そんなこと言えますか? 最近、きな臭くなってきてるんですから。備えあれば憂いなしですよ」

 と言いつつ、ガチャりと安全帯を梯子に通して、するすると灯炉の枠を伝って降りてくる。機関室に向かう。


 備えあれば憂いなし。これはこの世界に生まれた人々の基本的な思想だ。足元には、確固たるものが無く、一歩踏み間違えたら、まっ逆さま。

 整備を欠かして、故障でもすれば、舟ごと死の霧に沈没してしまう。


「とりあえず、出力下げて船団の後ろに行くぞ」

 バルブを回す。

 灯炉に送る漂油の量を減らす。

 灯炉の明かりが、やや小さくなった。


 ■


 少女は薄い冊子を開く。子供の為にやさしく書かれた創世記。


 昔々、「良い魔女」と「悪い魔女」が世界をめぐって争いました。二人は天地を変えるほどの力を持っていました。


 数百年の争いの果てに、負けそうになった「悪い魔女」は、壺をひっくり返します。

 世界へ流し込んだのは、なみなみの澁気しぶき澁気しぶきは、怪物さながらに街を呑み込み、人々は為す術なく、息絶えていきました。


 その邪悪な魔法を初めて見た「良い魔女」は、「悪い魔女」には力が及ばないと悟りました。


 そして、良い魔女は、洋灯ランタンに呪文を刻みます。その洋灯ランタンに、火が灯ると、ぷかりぷかりと浮かびました。


 どくどくと流し込まれる澁気は、数十の村を呑み、数百の山を呑み、挙げ句の果てには大陸を呑み、星を呑みました。


 良い魔女は、洋灯ランタンに火を灯しながら世界を廻り、人々を空へと逃がしました。


 そうしていまの、游灯球コムローイという世界ができました。


 ──「コムローイ創世の記」より。


 そして、三百年。歴史を語るものは地上に残されたまま。ぽっかり空いた時代の空隙くうげきは、口を開けたまま沈黙している。


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 設定は説明できても、物語になりません。ファンタジーの作家さんたちはどういう風に異世界に物語を作っているんでしょうか。

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