「腐ったアタマで考えられっか!」

 二〇二〇年初の新作小説、ついに公開しました。

 タイトルは「腐ったアタマで考えられっか!」です。

 単刀直入に言えば、メタフィクションを目指して作りました。


 えー、メタフィクションとは何か。

 簡単にいえば、フィクションについてのフィクションです。

 具体的にいえば、キャラ自身が自分は虚構の中の人物だと知ってるようなもの。キャラが読者に向けて声をかけたり、著者がそのまま作品に出てきたりするもの。作中作を入れたようなものです。


 メタフィクションには、むかしから憧れがあります。

 かっこよくないですか、メタフィクションって。

 そういう小説を書ける人は、大人な感じで、できる人みたいな感じで、かっちょよく見えます。

 なので、バンバン使っていきたいんですよ。


 だが、しかーし。


 いざ、「メタフィクション」で検索してweb小説を探してみると「難しいんだろうなー」って感じなんです。

 反応が少ないんです。僕も度々やりますが、そっと小説を非公開して首を傾げて「また駄目かぁー」。簡単に使えるくせに、扱いがべらぼうに難しいイメージがあります。


 なぜウケが悪いんでしょうか。

 メタフィクション自体は、とっても魅力的なのに。


 最近それを考えていて、二つの理由に思い至りました。


 その一、「キャラのメタ発言が嫌われている」

 著者や編集者への不満とか、想定読者をいじる台詞が出てくるタイプの物語がありますよね。それがコアな内輪ネタになって、テンポを悪くしてたり、ライトな読者が楽しめなかったり。

 僕もそんなに好きじゃないです。にわかファンを優しくしてほしいのです。


 その二、「実験的であることを重視しすぎて面白くない」

 奇をてらっただけで、内容の面白さまで気が回ってない不親切設計の小説です。

 すごいことやってるだけ置いていくやつです。

 本人としては気持ちいいんですけど(経験者談)。

 だから、何ですか? と読んで思うこともしばしばですよね。実際すごい小説でも、そう思ってしまうのもタチが悪い。


 この二つは、単純に読者へ配慮する技量がないことで起こっているはず。素人はメタフィクションに安易に手を出してならぬ。そういうことです、技量こそ全てだ!


 だが、しかーし。


 身も蓋もないことを言うと、著者の僕は「すごいことやってる」と言われたい(直球の願望)んです!

 メタフィクションを使って、言われたい!

 けれど「すごいことやってもいいけど、せめて面白くあれぇー(。>д<)」と読者の僕も叫びます。


 このギャップを越えなければ、どうやってメタフィクションなんて扱えようか。いや、扱えない(反語)


 そして今回。挑戦してみました。

 メタフィクションを中心に据えて、そのうえ面白い小説にするんだ、という気持ちで今回は書きました。

 内輪じゃない嫌われない、メタ発言。

 実験ではなくエンタメな、メタ小説。

 そのために選んだジャンルは「メタフィクション青春ゾンビホラーコメディ」です。盛りすぎ。


 で、公開しています。

 それが叶ったか叶ってないか、答えはこれからじゃんじゃん読まれてから出るんです。ですが、自分が挑戦したもので、今まででいちばん自信ありです。

 ぜひ読んでください!


「腐ったアタマで考えられっか!」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891348684

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